日本製紙グループについて社長メッセージ

木とともに未来を拓く

木材は、使用用途における多様性に特徴があり、まさしく時代をリードする素材を生み出す非常に有用且つ再生可能な資源です。当社はその木材を使って、植林をはじめとする森林資源の造成に始まり、木材繊維を原料とする製紙や紙関連製品、木材成分を生かしたバイオケミカル、木材・建材、そしてエネルギーまで、幅広い事業を展開しております。

2015年度から3カ年にわたって取り組む第5次中期経営計画では、主要テーマに「事業構造転換」を掲げ、これまで培ってきた木材パルプの活用技術を基に、新しい素材を開発するなど、市場創出に向けた挑戦を開始しております。
その代表例が次世代の素材として期待されるセルロースナノファイバー(CNF)であり、当社は、約10年前から研究開発を進めてまいりました。以来技術を蓄積し、2015年秋には世界で初めて抗菌・消臭機能を付与してシート化し、当社グループの日本製紙クレシア株式会社の大人用紙おむつ「肌ケア アクティ®」として実用化しております。
また、CNFの量産化という点において、2017年は当社にとってひとつの節目の年になると自負しており、4月には当社の石巻工場で世界最大級のCNF量産設備が稼働を開始しました。続いて、6月には富士工場で強化樹脂の実証設備が、9月には江津工場に食品・化粧品向けの増粘剤用途の量産設備が稼働します。用途に応じたCNFの製造技術と本格的な供給体制を早期に確立することで、世界をリードしてまいります。

一方、長年営んでいる製紙事業につきましては、日常生活の中で「情報を伝える」だけではなく、「拭く」「包む」といった幅広い機能を発揮する木質バイオマス由来の素材として、今後はヘルスケアやパッケージなどの分野で成長が期待できます。紙はまだまだポテンシャルがあります。様々な素材を紙に置き換えていくことにより製紙事業は厚みを増していくと考えており、当社は新しい製品の開発やサービスの提案を積極的に行ってまいります。

さらに、アジアそして世界へ、近年、当社はこれから伸長が期待される海外市場に積極的に進出しております。昨年には、これまで当社が50年以上にわたって日本国内で展開してきた牛乳パックなどの紙パック事業に関連し、米国ウェアーハウザー社より紙容器原紙事業を買収しました。これにより原紙から加工までの一貫体制を確立し、トータルシステムサプライヤーとして、アジア市場も視野に入れて、より付加価値の高い製品を提供できるようになりました。また、経済成長の著しいベトナムやインドでは、現地企業の買収や事業提携により、紙コップなどの紙器事業や、紙おむつなどのヘルスケア事業といった、高い需要の伸びが期待できる新事業を開始しております。営業部門と生産部門、研究開発部門が緊密に連携するグローバルなマーケティング体制を機能させることで事業領域を広げ、世界の市場に飛躍してまいります。

当社は、2015年に企業グループ理念を明文化し、「世界の人々の豊かな暮らしと文化の発展に貢献」することを謳っております。その実現に向けたスローガンに、「木とともに未来を拓く総合バイオマス企業」と掲げておりますように、今後も、これまでにない新たな価値の創造に挑戦してまいります。


日本製紙株式会社
代表取締役社長
馬城 文雄