日本製紙グループについて社長メッセージ

木とともに未来を拓く

当社は、第5次中期経営計画の2年目を迎えました。収益基盤となる既存事業の競争力強化に努めながら、これまで進めてきた事業構造転換の取り組みをさらに加速させることにより、木とともに未来を拓く総合バイオマス企業として、これまでにない新たな価値の創造に挑戦していきます。

当社の持つ強みは、再生可能な資源である「木」を中心にバランスの取れた事業群を構成できることです。使用用途における多様性にも特徴があり、まさしく時代をリードする素材であると確信しています。当社は、植林をはじめとする森林資源の造成に始まり、木材・建材、木材繊維を原料とする製紙、また木材成分を生かしたバイオケミカル、そしてエネルギーまで、幅広い事業を展開しています。特に最近の取り組みとしては、エネルギー分野で、太陽光や風力といった自然エネルギーや木質バイオマスを活用しながら、社会で必要とされる電力の安定供給に貢献する取り組みを広げています。さらにバイオケミカル分野では、次世代の素材として期待されるセルロースナノファイバー(CNF)の開発に取り組んでいます。2015年秋には、世界で初めて機能性CNFの実用化に成功し、高い消臭効果を発揮する消臭シートとして当社グループの大人用紙おむつに採用しました。本年5月、当社石巻工場にCNFの量産設備の建設を決定し、今後、量産技術と用途拡大につながる開発をスピードアップしていきます。

一方、既存事業である紙については、日常生活の中で「情報を伝える」だけではなく、「拭く」「包む」といった幅広い機能を発揮する木質バイオマス由来の素材として、今後ヘルスケアやパッケージなどの分野で成長が期待できます。様々な素材を紙に置き換えていくことにより製紙事業は厚みを増していくと考えられ、その点において紙はまだまだポテンシャルがあり、当社は新しい製品の開発やサービスの提案を積極的に行っていきます。

また当社は、アジアをはじめ世界へ、これから成長する市場を目指していきます。その際、紙はもとより、木材の総合利用をベースとする事業領域の拡大こそ、当社の目指す飛躍の方向となります。グループを代表する海外事業として、オーストラリアンペーパー社で収益力を強化するとともに、タイのSCGパッケージング社との連携を深めています。当社は今後も、成長市場での需要獲得に向け、M&Aも含めて事業領域の拡大を進めるとともに、営業部門と生産部門、および研究開発部門が緊密に連携するグローバルなマーケティング体制を機能させることで、世界の市場で企業としての成長を図っていきます。

当社は、企業グループ理念に掲げた「世界の人々の豊かな暮らしと文化の発展への貢献」を実現するために、今後も地球環境に配慮する企業活動を実践し、皆様とともに持続的に成長する企業を目指して努力を重ねていきます。


日本製紙株式会社
代表取締役社長
馬城 文雄