環境に関わる責任環境負荷の低減

環境負荷の低減に取り組み、地域と共生していきます。

マテリアルバランス

事業活動にともなう環境負荷を把握してその低減に取り組んでいます

日本製紙グループでは売上高の約82%を占める紙・パルプ事業を中心に幅広い事業活動を展開しています。国内の紙・パルプ事業は、国内全事業の水使用量の約92%、CO2排出量の約95%を占めており、マテリアルバランスの上でも大きな割合を占めています。
紙の原材料は、木材チップや古紙が中心となります。これらをパルプにし、水中に分散したパルプ繊維を薄くシート状にし、それを乾燥させることで紙をつくります。パルプの製造や紙の製造(抄紙)では、熱源として蒸気を、動力源として電気を使用します。製紙工場では、燃料を燃やして蒸気を発生させるボイラーと、その蒸気を利用して電気をつくるタービン発電機からなる自家発電設備を設置しています。
パルプや紙の製造にともなって、水質汚濁物質を含む排水が、またボイラーからは大気汚染物質やCO2を含む水蒸気が出ます。そして、ボイラーで燃やした燃料の灰が廃棄物となります。日本製紙グループでは、これらの環境負荷を低減する取り組みを進めています。

水質汚濁の防止

微生物などを活用して排水をきれいにしています

製紙工場では、水中に分散させたパルプ懸濁液を薄くシート状にし、それを乾燥させることで紙をつくります。そのため、排水には、紙にできなかった微細なパルプ繊維や填料などが含まれます。
日本製紙グループでは排水中に含まれるCODやBOD、SSなどの水質汚濁物質やpHを排水処理設備で基準値以下に処理することに加え、自治体との協定値も順守しています。

水使用量/排水量の推移(国内)
水使用量/排水量の推移(国内)
COD/BOD、SS量の推移(国内)
COD/BOD、SS量の推移(国内)
日本製紙(株)の製紙工場での一般的な排水処理工程
日本製紙(株)の製紙工場での一般的な排水処理工程

大気汚染物質の排出抑制

NOx、SOx、ばいじんの削減に努めています

製紙工場では、ボイラーとタービンで自家発電をしています。ボイラーから排出される水蒸気には、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、ばいじんなどが含まれます。日本製紙グループでは、それらの大気汚染物質を脱硫装置、脱硝装置、集塵機などで基準値以下に処理することに加え、自治体との協定値も順守しています。

NOx排出量・SOx排出量の推移(国内)
NOx排出量・SOx排出量の推移(国内)
ばいじん排出量の推移(国内)
ばいじん排出量の推移(国内)

土壌汚染の防止

2015年度も土壌汚染は発生していません

日本製紙グループ各社の工場で使用する原材料や薬品には、重金属やトリクロロエチレンなどの土壌汚染物質はほとんど含まれていません。2015年度、グループ各社において土壌汚染が発生した事例はありませんでした。

産業廃棄物の削減
(「グリーンアクションプラン2015」の結果)

発生抑制と有効利用に取り組みました

日本製紙グループでは、廃棄物の発生抑制と同時に、有効利用の拡大に取り組むことで最終処分量の削減を進めています。
環境行動計画「グリーンアクションプラン2015」では「廃棄物の再資源化率を97%以上とする」「廃棄物発生量の40%以上を事業所内で再資源化する」という2つの目標を掲げて、資源の有効利用に取り組みました。廃棄物発生量の約8割を占める燃焼灰の再資源化方法を多様化するため、燃焼灰の造粒設備を導入しましたが、造粒物の販売が一部進まず、事業所内での再資源化率は30%と目標未達成となりました。しかし、事業所外での再資源化処理を含めた廃棄物の再資源化率では、98%と目標を達成しました。

廃棄物の発生・最終処分量の推移(国内)
廃棄物の発生・最終処分量の推移(国内)
廃棄物発生量に占める再資源化量の割合
(2015年度)
廃棄物発生量に占める再資源化量の割合(2015年度)
事例

コンクリート用混和材加熱改質フライアッシュ「CfFA®(Carbon-free Fly Ash)」の製造販売事業

CfFA®を配合した40トン級消波ブロック

CfFA®を配合した40トン級消波ブロック

日本製紙(株)は、紙を製造する上で必要な電気と熱のエネルギーの一部を自社所有の石炭火力発電施設でつくっています。その際に発生するフライアッシュ(飛灰)をコンクリートに配合することで、耐久性向上や長寿命化など多くの効果が得られます。しかし、フライアッシュの中に数%含まれる未燃カーボン(燃えカス)が生コンクリートの性状や硬化した後のコンクリートの品質に悪影響を及ぼすおそれがあり、利用が進んでいませんでした。
当社では、その未燃カーボンを焼成除去する技術を導入し、2016年4月から石巻工場で加熱改質フライアッシュ「CfFA®」として生産を開始しました。扱いやすく品質管理されたフライアッシュは、コンクリート用材料としての資源循環が可能です。
今後も、高耐久、長寿命のコンクリートを通じて、東日本大震災で甚大な被害を受けた東北地方での復興工事や、インフラ整備におけるライフサイクルコストの縮減に貢献していきます。

騒音・振動・臭気の防止

工場周辺への影響を抑えるための対策を講じています

騒音・振動の防止

製紙工場は、製造設備も大きく、モーターやポンプなどの回転体が多いことから、騒音・振動の発生源が数多くあります。苦情の有無にかかわらず、各工場で騒音・振動の問題があると判断した場合には、騒音発生源の騒音レベル抑制、防音設備の設置、設備の設置位置の見直しなどの対策を順次講じています。

写真
イラスト
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騒音対策防音壁の設置 工事前(左)と工事後(右)(日本製紙(株)富士工場)

臭気の防止

パルプの製造方法のひとつであるクラフトパルプ法は、その製法上、硫化水素・メチルメルカプタン・硫化メチル・二硫化メチルといった悪臭成分が発生しやすく、工場周辺に拡散する可能性があります。工場では、発生する臭気を封じ込める設備や分解する装置を導入するとともに、定期的な臭気測定や工場周辺のパトロールを実施し、臭気の拡散抑制に努めています。

化学物質の管理

取り扱う物質の適正な管理と使用の制限に努めています

PRTR制度への対応

PRTR制度対象化学物質の取扱量・排出量・移動量の推移
PRTR制度対象化学物質の取扱量・排出量・移動量の推移

PRTR制度とは、有害性のある多種多様な化学物質が事業所から排出される量および廃棄物に含まれて事業所外へ移動する量を事業者が集計し届け出る制度です。
日本製紙グループでは、各工場でリスクコミュニケーションを開催し、PRTR制度対象化学物質の管理や使用状況について地域住民の方へ説明しています。