森林資源のために古紙の利用推進

製紙業では、資源を有効利用するために早くから古紙をリサイクルしてきました。現在では適切に管理された森林からの木材チップ調達を推進していますが、その供給量には限りがあるため、古紙は引き続き重要な資源です。日本国内の古紙回収率は77.9%、紙の原材料に占める古紙の割合である古紙利用率も63.0%を達成しており、世界的に見ても大変高い割合となっています。日本製紙グループでは、お客さまや市民の皆さまの協力のもと古紙回収量の拡大に努めています。また、古紙処理能力を強化するとともに、古紙からつくるパルプの品質向上と用途拡大に取り組んでいます。今後もこうした取り組みを進め、循環型社会の形成に貢献していきます。

古紙利用率の拡大に向けて

古紙利用の前提となる古紙の回収は、紙を使う多くの方の協力があってこそ可能になります。日本製紙グループでは、お客さまや業界団体との協力のもと、古紙回収に向けた取り組みを進めています。
また、古紙の利用を推進するために、古紙処理能力の強化やあまり利用されてこなかった機密書類などの活用を進めてきました。同時に、古紙からつくるパルプの品質向上に努め、古紙パルプが使用できる製品品目の拡大に取り組んでいます。

古紙利用促進に向けた取り組み

2012年度の古紙利用率

日本製紙グループでは、グループの環境行動計画「グリーンアクションプラン2010」で「古紙利用率を50%以上とする」という目標を掲げていました。品質を維持しながら古紙パルプの配合率を高めるなどの取り組みを進めた結果、2010年度の古紙利用率は53.2%と目標を達成しました。
2011年からスタートした「グリーンアクションプラン2015」では「洋紙の古紙利用率を40%以上、板紙の古紙利用率を88%以上とする」という目標を掲げています。近年、紙・板紙需要が急増する中国への輸出が増えたことにより国内での古紙調達が困難になっていますが、今後も古紙利用率の維持・向上に努めていきます。2012年度の古紙利用率の実績は、洋紙で41.3%、板紙で89.4%となっています。

日本製紙グループの古紙利用率の推移(国内)

事例1 市民団体・業界団体とともに進める牛乳パックの回収

古紙利用率の向上を目指して、日本製紙グループは各業界団体と連携しながら、古紙回収量の拡大に取り組んでいます。その一環として、牛乳容器などに使われ、良質な古紙パルプが得られる紙パックの回収を推進しています。例えば、日本製紙(株)が加盟する「全国牛乳容器環境協議会」では、「2015年までに紙パックの回収率を50%以上にする」という目標を設定し活動しています。「リサイクル講習会」や「出前授業」などによる啓発活動、全国の学校や公共施設への牛乳パック回収ボックスの設置の呼びかけなどによって、2010年度の紙パック回収率は43.6%に達しました。

紙パック回収率の推移

事例2 機密書類のリサイクル

2008年3月、日本製紙(株)草加工場では、機密書類のリサイクル設備を新設し、稼動させました。
オフィスから発生する機密書類は、情報漏えい上の問題から焼却処理されるケースがほとんどでしたが、この設備によって古紙として利用できるようになります。新設備は、屋内密閉型の専用処理設備であり、書類箱を未開封のまま処理し、溶解された機密書類は段ボール原紙などの板紙に再生されます。この設備の稼働によって、月間2,000~3,000トンの紙のリサイクルが新たに可能となりました。

機密書類のリサイクル設備
機密書類のリサイクル設備

事例3 自治体・古紙問屋と協力した雑がみの活用

札幌市は、2009年7月から「ごみの有料化」を開始しました。同時に、家庭ごみの排出削減と資源の有効利用を目的に、従来燃えるごみとして排出されていた「雑がみ」の収集を始めました。「雑がみ」は製紙原料に不向きな紙が多く、選別に非常に手間がかかります。そのため、段ボールなどの板紙に一部使用されているだけでした。 日本製紙(株)北海道工場は、札幌市製紙原料事業協同組合(札紙協)の協力を得ながら、洋紙向けの品質基準を満たす雑がみの選別体系を構築。これによって、古紙の用途拡大に成功しました。
現在も、選別に協力いただいた札紙協に加盟している全問屋関係者と試行錯誤を重ねながら品質基準の作成を進めています。今後も、安定的な製紙原料として使用し、古紙利用の拡大に取り組んでいきます。