ステークホルダーとの関わりお客さまへの責任

基本的な考え方

日本製紙グループは、社会に広く浸透した素材である紙および紙関連製品の供給を事業基盤とし、社会とともに発展してきました。また、フィルム、ヘルスケア製品、化成品や木材・建材など多様な事業を営んでおり、お客さまは法人から個人まで多岐にわたります。
生活に不可欠なそれらの製品を安定的に供給することは、社会に役立つための基本的な責任です。また、品質・安全性を確保し、お客さまの信頼に継続して応えていきます。

製品安全に関する理念と基本方針

理念

私たちは、設計・製造・供給・廃棄の全ライフサイクルを通じて安全性を追求し、社会から信頼される製品・サービスを提供します。

基本方針

  1. 1.安全な製品・サービスを提供し、お客さまからの継続した信頼に応えます。
  2. 2.製品・サービスの安全を確保するために関係法規、関係基準を遵守します。国内法規のみならず、グローバルな視点からの安全性を追求します。
  3. 3.製品の安全性・機能・正しい使用方法に関する的確な情報を、お客さまに提供します。
  4. 4.製品・サービスに関する安全管理体制を確立し、グループの全従業員に製品安全への意識を徹底します。
  5. 制定 2004年10月1日
  6. 改訂 2014年08月1日

製品安全マネジメントの推進体制

日本製紙グループでは、日本製紙(株)技術本部長を委員長とする「日本製紙グループ製品安全委員会」が、グループの製品安全に関わる活動を統括しています。製品安全委員会は、当社の関連部門長およびグループ各社の製品安全担当部長で構成され、グループ全体の活動方針や施策などの重要事項を審議・決定します。
製品安全委員会のもとには「製品安全小委員会」を置いて、各社の活動状況を把握・管理するとともに、各社間で情報・意見を交換した上で、懸念事項がある場合はその対応を協議し、製品安全委員会へ報告・答申しています。なお、グループ各社にも製品安全委員会を設置しそれぞれの製品安全活動を推進しています。        

製品安全への取り組み

日本製紙グループは、化審法、PRTR法、食品衛生法などの法規制を順守し、事業・製品の特性に応じた管理手法を用いて製品安全に努めています。                                   

                                                    

製品安全管理手法
※1 HACCP (Hazard Analysis and Critical Control Point)
食品製造工程のあらゆる段階で発生し得る危害を抽出・分析し、その発生防止のための重要管理点を明らかにした上で管理基準を定め、その基準が順守されていることを常時監視・測定・記録することで製品の安全性を確保しようとするもの
※2 FSSC22000
HACCPの衛生管理手法を取り入れた食品安全マネジメントシステムの国際規格であるISO22000と、食品安全の前提条件プログラムであるISO/TS22002および追加要求事項で構成されている

FSSC22000の取得状況(PDF:211KB)

品質安定化への取り組み

日本製紙グループでは、品質マネジメントの国際規格であるISO9001の認証取得を各事業会社で進めているほか、それぞれの製品の特徴に合わせた品質管理を行っています。

ISO9001の取得状況(PDF:320KB)

紙・板紙部門での品質保証体制

日本製紙(株)では、お客さまと生産現場との距離を縮めることを目的にサービスエンジニア(SE)制度を導入しています。紙の生産に携わる技術スタッフがSEとしてお客さまを訪問し、実際に紙が使用される現場である印刷・加工工程に立ち会う「品質パトロール」などを通じて、お客さまの声を直接伺っています。さらに、お客さまとより密接な関係を築くため、2013年10月に品質保証体制を見直して営業部門に技術担当者を配置しました。一方、定期的に開催される品質情報会議などを通じて営業部門と技術部門との連携を図り、お客さまからの多様なニーズに迅速に応えています。                                                    

製品の不具合発生時の対応

日本製紙グループでは、出荷した製品の不具合が判明した場合、製品の種類に応じてグループ各社で独自の対応を取っています。
日本製紙(株)紙・板紙部門では営業技術担当が窓口となり、品質事故情報データベースなども活用して工場、本社関連部門と連携し、対応しています。
個人のお客さまに製品を提供する日本製紙クレシア(株)では、全ての製品にお客様相談室の連絡先を記載するほか、お客さまの苦情がダイレクトに社長に報告されるよう同相談室を社長直轄としています。また、ウェブサイトでもご質問やご意見を常時受け付けています。自社の製品やサービスが原因でご迷惑をおかけした場合には、誠意を持って対応し、お客さまに納得していただけるよう努めています。

製品不具合発生時の対応体制

製品の安定供給

あらゆる人々が利用する紙を安定供給していくために、日本製紙グループでは、適切な管理に基づいた持続可能な原材料調達を推進するほか、地震などの災害発生に備えて生産拠点を全国に分散しています。その上で、実需に対応できるよう綿密に調整した生産計画に基づいて紙パルプ製品を生産しています。また、各生産設備を計画的・定期的にメンテナンスすることで故障をできる限り防ぐとともに、突発的な故障が起きた場合は夜間でも修理・復旧できるよう監視・メンテナンス体制を整備しています。

お客さまのニーズの把握

日本製紙グループでは、日常の営業活動から技術スタッフによる品質パトロールまで、幅広くお客さまのニーズをとらえられるよう積極的にコミュニケーションを図っています。また、お客さまから原材料の樹種・原産国やその合法性に関する問い合わせが多くなっており、自社の取り組みと第三者による評価で、ご要望に応えていることを説明しています。
日本製紙(株)紙パック事業本部では、お客さまである乳業・飲料会社の充填機ご担当者を対象とした技術講習会を開催し、紙パック用充填機を適切に取り扱っていただくための情報を提供するとともに、ご担当者のご意見・ご要望に耳を傾け、より良い製品づくりに努めています。

また、日本製紙クレシア(株)などでは、お客さまへのアンケートを通じて製品ごとの顧客満足度やニーズを調査し、お客さまへの対応の充実度を図る指標として用いています。

環境に配慮した製品の把握

日本製紙グループの製品群は、再生可能なバイオマス資源である木質原材料を使用し、かつリサイクルが可能ということから、環境負荷が低いという特長があります。その上でさらに、原材料の調達、製品の製造、使用、使用後、廃棄などの各段階で環境に配慮した製品の開発を進めています。


      

      
製品安全マネジメント体制