2008年6月4日

「古紙偽装問題に係る特定調達品目検討会とりまとめ(案)」に関するパブリックコメントを環境省に提出

岡山県西粟倉村
日本製紙株式会社

当社は、本日、環境省が募集する「古紙偽装問題に係る特定調達品目検討会とりまとめ(案)」に関するパブリックコメントとして、次のとおり意見を送付いたしました。
 
<該当箇所>
18~20ページ  2‐4 紙類に係る判断の基準の考え方
<意見内容>
意見: コピー用紙に係る判断の基準については、昨年11月に公表された基準案をベースとした今回の基準案が最も望ましいものであると考えます。
理由: コピー用紙においては、現在の製紙会社の技術レベル、情報機器の品質要求基準、継続的な安定供給といった観点から、古紙パルプ100%を求めつつも、古紙パルプ70%の基準が今現在で最も現実的な選択だと考えられます。よって、昨年11月に公表された「配合されている古紙パルプのうち30%を上限として、間伐材及び合板・製材工場から発生する端材等の再生資源により製造されたバージンパルプ、又は環境に配慮された原料を使用したバージンパルプに置き換えてもよい」をベースとして採用することが望ましいと考えます。
 
<該当箇所>
18~20ページ  2‐4 紙類に係る判断の基準の考え方
<意見内容>
意見: 今回の見直しは昨年11月に公表された案の記述を尊重し、持続可能な森林経営に求められる基準については今後の課題として検討を進めることを提案いたします。
理由: 「環境に配慮された原料を使用したバージンパルプ」において、持続可能な森林経営の根拠として森林認証のみを掲げているように見うけられます。森林認証は持続可能な森林経営を担保するものとして重要な位置付けにあることは言うまでもありません。しかしながら中小企業にとって森林認証は経済的負担が重く、一方で国によっては日本の「森林計画制度」の様に、森林の持つ多面的な機能を永続的に発揮させること(持続可能な森林経営とほぼ同義の考え方)を目指して、国の法律および森林管理システムを整備しているところもあります。よって、森林認証制度だけに限定せず、持続可能な森林経営に求められる基準を明確にし、その基準を達成できるように促すべきです。とはいえ、残念ながら今回は基準を検討する余裕がないことも事実です。これらを総合的に判断し、今回の見直しは昨年11月に公表された案の記述を尊重し、持続可能な森林経営に求められる基準については今後の課題として検討を進めることを提案いたします。
 
<該当箇所>
18~20ページ  2‐4 紙類に係る判断の基準の考え方
<意見内容>
意見: 紙製品において間伐材パルプの実配合を担保することは極めて困難であることを前提に基準の検討を進めていただきますようお願いいたします。
理由: 国産材チップの利用率向上に向けて検討・取り組みを進めているところでありますが、コピー用紙のバージンパルプ分をすべて間伐材パルプとすることは、(1)コピー用紙に針葉樹パルプを使用することは品質上難しいこと。(2)弊社のクラフトパルプ製造設備では、間伐材の主材と想定される杉を100%にして製造することが、操業トラブル等から困難であると実操業で確認されていること。(3)印刷・情報用紙に用いられる針葉樹クラフトパルプ製造設備は、一般的に1工場に1ラインしかないため必要なチップすべてを間伐材で賄わなければならないこと。(4)複数の抄紙機で多種類の紙を作っているために完成した間伐材パルプは品質上利用できるかできないかに関係なく使用しなければならないこと、などといった問題があります。よって、紙製品において間伐材パルプの実配合を担保することは極めて困難であることを前提に基準の検討を進めていただきたいと考えております。

 
以上