ニュースリリース燃焼灰から「雑草抑制材」を開発~廃棄物を有効利用し、環境にやさしい資源化を実現~

日本製紙株式会社

日本製紙株式会社(社長:芳賀 義雄)は、循環型社会を形成するため、廃棄物の排出抑制に向けた取り組みを推進しています。このたび、ペーパースラッジ(注1)や石炭などの燃焼灰の造粒物に雑草抑制効果を確認できたことから、今後、土木工事現場での利用など、用途開発による事業化を目指してまいります。

日本製紙グループは、環境行動計画「グリーンアクションプラン2010」に基づいて廃棄物の最終処分量を削減していくために、「廃棄物の自社製品化率25%以上」という目標を掲げて資源の循環利用に取り組んでいます。
当社における廃棄物は主にボイラー燃焼灰であり、これまでセメント原料や路盤材(注2)などへの利用を進めてまいりました。しかし、近年ボイラーの増設や古紙利用の拡大に伴って、灰の発生量が増加しています。そこで、新たな資源化を推進するため、昨年12月以降、宇都宮大学雑草科学研究センターの小笠原勝教授に、当社のペーパースラッジ灰など、ボイラー燃焼灰の造粒物について雑草抑制効果を評価していただいたところ、その効果を十分確認することができました。

ペーパースラッジ灰造粒物は水を吸う力が強いので、雑草の種や根に本来供給されるはずの水を吸収することにより、雑草の繁殖を抑制します。また、当社が開発した有害成分の溶出抑制技術を用いることにより、土壌への有害成分の溶出量が土壌環境基準を満たした、環境にやさしい資材としてお使いいただくことができます。

今後、道路や線路など、土木工事現場での利用を図るとともに、その他新規用途の開発に努めてまいります。

  1. 注1紙の製造工程で生じる繊維かすの総称。ボイラーで燃焼させることにより、バイオマス・エネルギーとして熱を回収することができます。
  2. 注2当社は、これまでに開発した造粒・固化技術により、「エコドライボール」「エコジャリ」という商品を開発し、一部ユーザーの方に限定販売しています。

以上