ニュースリリース日本製紙釧路工場における溶解パルプ生産を決定~世界的な需要増に対応し、溶解パルプ事業を拡大~

株式会社日本製紙グループ本社

株式会社日本製紙グループ本社(社長:芳賀 義雄)は、中国における旺盛なレーヨン需要を背景に近年溶解パルプの需要が伸張していることに対応し、グループの中核企業である日本製紙株式会社(社長:芳賀 義雄)の釧路工場(北海道釧路市)において、溶解パルプを生産することを決定しました。
既存の製紙用クラフトパルプ(注)生産設備である連続蒸解釜を転用して2012年秋から実証試験を開始し、段階的に年間3万トンの規模まで生産を拡大いたします。クラフトパルプの連続蒸解釜を使った溶解パルプの生産は、今回の取り組みが日本国内で初めての事例であり、本事業計画は、経済産業省のイノベーション拠点立地支援事業『先端技術実証・評価設備整備費等補助金』の対象として採択されております。
また、販売は、主に衣料用レーヨン向けに、日本製紙ケミカル株式会社(社長:八巻 眞覧)が担当します。同社はこれまで、溶解パルプの唯一の国内生産拠点である江津事業所(島根県江津市)で、主として衣料用レーヨン向けに長年国内外のユーザーに溶解パルプを供給してまいりました。今回の生産増強により、当社グループ全体で溶解パルプ事業を拡大し、高い成長性を見込める海外市場の新たな獲得を目指します。

日本製紙グループは、再生可能な資源としての「木」を原料として、紙を中心にさまざまな製品を世に生み出してまいりました。今回の取り組みは、これまでに培った木質資源を利用技術の高度化を図り、紙にとどまらず、当社グループの事業領域の幅を広げていくものです。
当社グループは、今後さらに「木」の持つ可能性を追求し、木質資源として総合的に活用する企業グループとして、社会のニーズに応える新しい価値を創出してまいります。

  • 木質繊維を、水酸化ナトリウムおよび硫化ナトリウムを主成分とする薬液を用いて高温で煮ることによって作られるパルプ。

以上