ニュースリリース溶解パルプ製造時に発生する酸加水分解液の高度利用について~釧路工場にてバイオガス製造による重油代替を検討~

日本製紙株式会社

日本製紙株式会社(社長:芳賀 義雄)は、昨年10月に釧路工場(北海道釧路市)において溶解パルプの生産体制を確立しましたが、本年3月、その製造工程で発生する酸加水分解液の高度利用検討の一環として、バイオガス製造テストプラント(メタン発酵法を採用)を設置しました。

メタン発酵では、嫌気菌の働きにより有機分をメタンガスに変換し、得られたメタンガスを重油代替として利用できます。発生するメタンガスは二酸化炭素を排出しないカーボンニュートラルの燃料として定義されるため、重油の代替として使用すれば、二酸化炭素排出量を低減させることができます。当社では、既にクラフトパルプ製造工程から発生する廃液についてメタン発酵処理を行っており、その技術を応用し、実現すれば世界でも初めてとなる溶解パルプ酸加水分解液の利用に向けて検討を行ってまいります。
なお、この酸加水分解液は様々な用途で活用できる可能性があります。まずは、環境対策としてメタン発酵処理による省資源化を推進していきますが、今後は、さらなる高度利用についても検討を進めていきます。

当社は、再生可能な資源としての「木」を原料として、紙を中心にさまざまな製品を世に生み出してまいりました。今回の一連の取り組みについては、これまで培った木質資源の利用技術の高度化を図り、事業領域の幅を広げていくものです。今後もさらなる省資源技術の開発に取り組み、社会の持続的な発展に寄与していきます。

以上