ニュースリリースセルロースナノファイバー実証生産設備の設置完了化学処理による本格的な生産設備としては国内初
~大量生産技術の確立と用途開発を本格化~

日本製紙株式会社

日本製紙株式会社(社長:芳賀 義雄)は、岩国工場(山口県岩国市)において、セルロースナノファイバー(CNF)の実証生産設備の設置工事を完了し、運転を開始しました。

CNFは植物繊維(パルプ)を1ミクロンの数百分の一以下のナノオーダーにまで細かく解繊したもので、弾性率がアラミド繊維並に高い、温度変化に伴う伸縮は石英ガラス並みに小さい、さらに、酸素などのガスバリア性が高いなど、さまざまな優れた特性を発現します。また、植物繊維由来のため、生産・廃棄に関する環境負荷が小さく、軽量であることも特長です。用途としては、樹脂等の強度を高めるために添加される補強材、食品や化粧品、医薬品などにおいて液体の粘性を高めるために添加される増粘剤、高いガスバリア性を持つ包装材料などの展開が期待できます。

CNF

新設したCNF実証生産設備は、パルプを化学的に前処理して解繊し易くすることを特徴としており、年間生産能力は30トン以上、化学処理によるCNFを生産する本格的な設備としては国内初となります。

本事業計画は、経済産業省のイノベーション拠点立地支援事業『先端技術実証・評価設備整備費等補助金』の対象として採択されており、本設備の設置後は、CNFの事業化推進に向けて、大量生産技術の確立とともに本格的なサンプル供給が可能となるため、用途開発のスピードアップが期待されます。当社は、「総合バイオマス企業」として、再生可能な資源である「森林資源」を総合利用する技術をさらに高め、事業領域の拡大を図っていきます。

以上