トップメッセージ

再生可能な資源である木材の多様な特性を引き出し、
多彩な事業をスピーディーに伸長させることにより、
「木とともに未来を拓く総合バイオマス企業」として
持続可能な社会の構築に貢献します

日本製紙株式会社
代表取締役社長
馬城 文雄

持続可能なビジネスモデルを成長させ、
社会から永続的に
必要とされる企業であり続けます

 日本製紙グループは、再生可能な森林を持続的に育成管理することによって、CO2を森林の樹木に固定し、生態系や生物多様性を保全しています。その豊かなバイオマス資源を無駄なく有効に活用して、化石資源の代替として資源枯渇の防止や環境負荷の低減にも役立てています。そして、古紙利用率は洋紙38%、板紙89%にもなる循環型の産業です。
 当社グループは、この持続可能なビジネスモデルを通じ、ステークホルダーの皆さまへの影響やニーズを考慮しながら事業活動そのものが社会の持続性に貢献することを目指します。また、その事業をスピーディーに展開していくことで長期的に成長を続け、社会から永続的に必要とされる企業であり続けます。

新規分野の創出、伸長に取り組み
豊かな暮らしと文化の発展に貢献します

 私たちは、第5次中期経営計画(2015~2017年度)で「事業構造転換」を掲げています。2016年は、資産の見直しと有効活用に取り組み、国内外の洋紙・板紙事業の収益力を強化する一方、成長分野の伸長と新規事業の戦力化を進めました。
 既存の産業用紙分野では、特種東海製紙(株)と生産・販売の両面での事業提携を進め、日本東海インダストリアルペーパーサプライ(株)を発足させました。パッケージング分野では新たな組織を社内に立ち上げて商品開発や研究開発を強化しました。そして北米企業から液体用紙容器原紙事業を買収、ノルウェー企業との業務提携によってキャップ付き屋根型紙容器も導入しました。また、ヘルスケア分野では春日製紙工業(株)との家庭紙合弁事業を開始しています。2017年は、新事業としてトレファクション技術を用いた木質バイオマス燃料の生産実証設備をタイで稼働予定です。セルロースナノファイバー(CNF)では世界最大級の生産能力となる量産設備(石巻工場)、樹脂との混練設備(富士工場)、食品・化粧品向けの量産設備(江津工場)も設置しました。すでにCNFの研究・用途開発とマーケティング活動を行う組織を発足させており、新設備を最大限に活かして幅広い用途開発と製品への採用による大きな前進を目指します。
 今後も、紙づくりで培った木材を高度利用する技術と豊富な木質バイオマス資源を駆使し、消費者の生活に密着した新製品をスピーディーに展開していきます。

ステークホルダーの皆さまへの影響を把握し、
社会と日本製紙グループの
持続可能な発展を目指します

 私は、企業として地域の環境に配慮し安全に操業を継続してこそ、製造業の責任を果たすことにつながり、地域での存在が許されると考えています。そこで、地域やお客さまなどのステークホルダーの皆さまとコミュニケーションを取って私たちが及ぼす影響を把握し、私たちへの期待や要請に応えていきます。環境面では、それらを中期的な環境行動計画に反映させ環境経営を実践していきます。安全面では、安全と健康を第一とし、「何人たりとも構内でけがをさせてはならない」という安全の大原則を肝に銘じて職場の安全確保を徹底します。
 「企業グループ理念」では、当社が重視する価値として「Challenge」「Fairness」「Teamwork」を定めています。事業環境が激変するなかで、その変化に対し挑戦することが「Challenge」、対外的に公平公正であることはもちろん、当社グループ内にあるさまざまなルールを公平公正に運用していく企業風土が「Fairness」、そして企業グループ理念の実現を目指し、それぞれの立場と役割をきっちり果たすことが「Teamwork」であると私は考えています。
 また、日本製紙(株)は「人権・労働・環境・腐敗防止」について10の原則を掲げる国連グローバル・コンパクトを支持し、社会の良き一員として行動し、持続可能な成長を実現するための世界的な枠組みづくりに参加しています。経営者として、企業が生き残っていくためには人類の共通課題となった持続可能な社会の実現と正面から向き合う必要があると認識しています。

 本報告書では、総合バイオマス企業としての持続可能なビジネスモデルが社会の課題解決、持続的発展と密接に結びついていること、地域と共生していくために重要なこと、を中心に報告しています。そして長期的な価値創造に挑戦している研究開発の観点から、長期的成長に向けた私たちの取り組みに触れ、国連総会で採択された持続可能な開発目標(SDGs)との関連も記載しました。
 今後もステークホルダーの皆さまとのコミュニケーションを続け、持続可能な社会の発展に貢献できるよう努めていきます。率直なご意見をいただけると幸いです。

日本製紙株式会社
代表取締役社長