勇払工場に排水スラッジ固形燃料化設備設置、ゼロディスチャージ達成へ
日本製紙株式会社当社の勇払工場(北海道苫小牧市)では、排水スラッジを固形燃料として工場の主力ボイラーで利用できる設備を設置し、9月18日より運転を開始した。これにより同工場の廃棄物処分量は大幅に減少し、当社が「ゼロディスチャージ運動」で掲げる廃棄物削減目標を全11工場で達成できる見込みとなった。
勇払工場では、排水スラッジなどの廃棄物が年間約10,000トン(水分を全く含まない状態での重量=絶乾重量)発生するが、これまでは構内に埋め立て処分を行っていた。今回の固形燃料化設備の稼働により、同工場では、生産工程から発生する排水スラッジは石炭を混ぜて固形化し、燃料として主力の循環流動床式石炭ボイラー(1994年稼働、最大蒸気発生量260t/h)で燃焼させる。これにより、石炭使用量の減少、スラッジ埋め立て処分費用の削減など、年間約24百万円の費用効果が得られる。
当社は、?@廃棄物の発生の極小化、?A廃棄物の有効利用、の2点を基本原則として、1996年12月より「ゼロディスチャージ運動」を全社をあげて推進している。当初目標の「廃棄物処分量を製品重量あたり1%(絶乾重量換算)以下」を翌1997年に達成し、その後0.2%へ上方修正した目標もすでに達成している。
本年3月には2度目の環境憲章改訂を行い、廃棄物削減の目標を「廃棄物の発生を極小化し、その有効利用を推進することにより、2003年度までに最終処分量を製品重量あたり0.1%以下とし、さらに最終処分量ゼロを目指す」こととし、これまでより一段と厳しい姿勢で、廃棄物ゼロに限りなく近づくことを目指している。
これまでのところ、当社11工場のうち勇払工場を除く10工場については、スラッジ専用焼却炉の設置、石炭灰・スラッジ焼却灰のセメント利用など、すでに廃棄物の極小化および有効利用を進める対策を講じている。今回勇払工場で排水スラッジ固形燃料化設備が稼働したことにより、全社的にゼロディスチャージを達成する態勢が整ったことになる。