2001年12月27日

非塩素系ポリオレフィン「アウローレン」発売
~付着しづらいプラスチックへの塗料などに、塩素を含まない新製品~

日本製紙株式会社

日本ユニパックホールディンググループの日本製紙は、難付着性のプラスチックなどに良好な付着性を持ちながら、塩素を含まない非塩素系ポリオレフィンのコーティング剤「アウローレン」を開発し、販売を開始しました。
 
当社の塩素化ポリオレフィン「スーパークロン」は、難付着性のプラスチック(ポリプロピレン系樹脂)に良好な付着性を持ち、自動車のポリプロピレン製バンパーのプライマー(下地塗り用の塗料)や、ベースコート用※の樹脂として、またポリプロピレン製フィルム用の特殊グラビア印刷インキ、接着剤の原料などに幅広く使用されています。
 
塩素を含まない非塩素系の製品は、従来からありましたが、性能が不十分で、ポリプロピレンには塩素化ポリオレフィンを用いるのが一般的でした。今回、スーパークロンの姉妹品として開発した「アウローレン」は、従来の非塩素系品より格段に性能が優れており、ポリプロピレン、ポリエチレン等の付着しづらい素材に良く付着し、同時にアルミやポリエステル等の素材にも良好な付着性も有しています。さらに、環境に優しい溶剤にも幅広く溶解性を示し、トルエンを含まない溶剤タイプの非塩素系ポリオレフィンとしても使用できます。 新製品は、ポリプロピレンなどのオレフィン系フィルムのコーティング剤用途ほか、ポリプロピレン成型品のプライマーやインキ用添加剤、ポリプロピレンへの接着剤の成分などに使用でき、今まで懸念されていた焼却時にダイオキシンが生成する危険性も解消されました。
 
当社はすでに販売を開始しており、新製品立ち上げに際しての供給体制を整えましたが、さらなる量産に向けて、岩国工場(山口県岩国市)に建設中の製造プラントが、2002年4月末に稼動予定です(投資額1億5千万円)。市場で着実に評価を得ながら、食品や建装材の接着剤用途を中心に、平成15年度には年間300トンの販売、売り上げ金額で3億円を見込んでいます。
 
※ベースコート…プライマーと中塗りを合わせたもの。ベースコートとは、本来はメタリック塗装における中塗りのこと(メタリック塗装は、プライマー/中塗り/クリアーという3層塗装)ですが、プライマーと中塗りを1層で済まそうとのニーズがあり、新製品がそれを満たす意味から、プライマーと中塗りを合わせたものとご理解ください。
 
新製品「アウローレン」の語源は、曙の女神「アウローラ」。 新規市場に輝く曙光になってほしいとの期待を込めています。

 
以上