2002年5月8日

ポリプロピレン塗装補修用プライマーを開発
~ 再生バンパーの再塗装が容易に ~

日本ユニパックホールディンググループ
日本製紙株式会社

日本ユニパックホールディンググループの日本製紙は、自動車のポリプロピレン製バンパーなどの再塗装・補修塗装を容易にするプライマー(下地塗り用の塗料)「スーパークロンS-3199」を開発しました。

使用済み自動車は国内で年間約500万台排出されていますが、自動車リサイクル法の施行準備が進んでいる現在、これらを解体することで発生する各部品のリユース・リサイクルが急速に進んでいます。ポリプロピレン系で作られたバンパーをリユースするために補修塗装を行う場合、素材が難付着性であたるため、塗装を行う前に基材表面を研磨したり、溶解性の強いトルエンやキシレン等の溶剤で処理してから塗装する必要がありました。また上塗り塗装の焼付温度が80~120℃と高く、大掛かりな乾燥設備が必要でした。

当社の塩素化ポリオレフィン「スーパークロンシリーズ」は、難付着性のプラスチック(ポリプロピレン系樹脂)に良好な付着性を持ち、自動車のポリプロピレン製バンパーのプライマーなどに幅広く使用されています。今回開発したプライマー新製品「スーパークロンS-3199」は、塗装するバンパーを、簡単な水洗か、イソプロピルアルコールを染み込ませた布でポリプロピレン基材表面を拭く程度で、プライマーとして十分に付着します。プライマー付着後、上塗り塗料を焼き付けるわけですが、この焼き付け温度が30~40℃の室温で可能となり、いままで必要だった大掛かりな乾燥設備が不要になりました。

又、使用済みのポリプロピレンは、再度、バンパーにリユースされる以外に、木材片と混ぜてガーデンチェアーなどの材料に使用されます。これらの木材片併用樹脂を塗装する場合にも、このプライマーは有用です。

市場で着実に評価を得ながら、自動車バンパーの補修用塗料や木材片併用樹脂部材などの塗装用プライマー用途を中心に、2003年度には年間200トンの販売、売り上げ金額で2億円を見込んでいます。

 
以上