2002年7月1日

勇払工場に古紙パルプ製造設備が完成
~日本初の、雑誌古紙が100%利用可能な設備~

日本ユニパックホールディンググループ
日本製紙株式会社

日本ユニパックホールディンググループの日本製紙は、これまで紙の原料としては使用できなかった雑誌古紙を利用できる技術を確立しました。現在、各工場への設備導入、技術導入を進めており、勇払工場(北海道苫小牧市)において、雑誌古紙を100%利用できる日本国内で初めての古紙パルプ(DIP)製造設備が、7月1日に営業運転を開始しました。

当社は、これまで、「日本製紙環境憲章」の行動指針として「古紙利用の推進」を掲げ、
(1)新聞用紙へのDIP配合率 は平均70%を目標とする
(2)上質系古紙、雑誌古紙の利用拡大を図る
という2点に取り組んできました。

今回の勇払工場における新鋭DIP設備は日産110トン(投資額約15億円)。これにより勇払工場のDIP生産能力は日産230トンから340トンへ増強され、同工場の新聞用紙へのDIP配合率は最大80%にまで引き上げが可能となります。新聞用紙へのDIP配合率については、勇払工場をはじめ各工場にDIP設備を増設したことにより、平均75%を達成する見通しです。

製紙原料として古紙を利用するにあたって、最大の課題は異物を取り除く技術です。代表的な古紙である新聞古紙(新聞紙・チラシ)は異物の混入率が低く、製紙各社で多く利用されています。しかしながら、雑誌古紙は、自治体などを中心に回収システムが整っているにも関わらず、背糊・シールという異物を除去することが非常に困難であったため、これまで板紙以外に紙の原料として使用することができませんでした。

そこで、当社では、回収されながら余っている雑誌古紙を紙の原料に使うための技術開発を進め、確実に雑誌古紙を使いこなす技術を他社に先駆けて確立しました。これにより、古紙リサイクルの社会的要望にこたえるだけでなく、当社にとっても、より安価な原料調達によるコスト削減が期待されます。さらに、上質系古紙については、産業系古紙(製本・印刷所から排出される古紙)の中で、これまで使用していた異物が少なく品質が良好な古紙に加えて、紙の原料として使えなかった低グレードな古紙のほか、トナー除去や異物対策が困難なオフィス系回収古紙の使用技術についても開発の目処がついており、今後、新聞用紙はもちろん、印刷・情報用紙向けDIPの製造技術をさらに高めていきます。

 
以上