2002年12月3日

木くず廃材を燃料とした発電設備の建設を決定
~ 化石燃料由来のCO2を年間10万トン削減~

日本ユニパックホールディンググループ
日本製紙株式会社

日本ユニパックホールディンググループの日本製紙は、勿来工場(福島県いわき市)に木くず廃材を主な燃料とした流動床ボイラーおよび15,000 kW(キロワット)のタービンの建設を決定いたしました。設備投資額は約38億円、着工を2003年4月、完成を2004年8月に予定しています。

廃棄物最終処分場の新設が各種事情により困難な中、1960~1970年代に新築された住宅やビルが更新期を迎えているため、建設廃材が大量に発生する見込みとなっています。事実、不法投棄される産業廃棄物の75%がこれら建設廃材であり、これは大きな社会的問題です。また、建設廃材の中で木くずの占める割合は、重量比だと約6%(年間約600万トン)程度なのに対して、容量比になると約13%となり、容積の大きい木くずの処理が重要な課題となっています。今回、新設するボイラーは、この木くずを主な燃料として年間約9万トン使用するもので、社会的ニーズに応えるとともに、重油からの燃料転換によってコストメリットをも享受することができるものです。

勿来工場の製造工程で使用する電力や蒸気は、自家用の重油ボイラーとディーゼル発電から供給しています。今回のボイラーが稼動することによって、年間約3万4千キロリットル使用していた重油がバックアップ用に使用するだけとなり、その結果、使用量が約98%削減されます。それに伴い、化石燃料由来の二酸化炭素排出量を年間約10万トン削減することができる見込みです。また、タービンによって得られる電力だけでなく、コージェネレーションにより工場内で使用する蒸気も供給するため、当発電設備のエネルギー効率は66%と、驚異的な値を示しています(一般的な発電設備は最高でも40%強)。また、このボイラーは、排ガスに含まれるダストを除去する装置としてバグフィルターを、硫黄酸化物を除去する装置として湿式脱硫装置を備えており、最新鋭の環境対応設備になっています。

当発電設備の事業は、経済産業省による2002年度新エネルギー事業者支援対策事業の「バイオマス発電」として認定されました。日本製紙は、古紙や廃棄物など、社会的問題となっている分野で、古紙設備の増強や木くず廃材ボイラーの新設など、積極的な社会貢献を進めています。

 
以上