2003年8月13日

園芸樹木(丸葉ユーカリ)に当社のクローン増殖技術を応用

日本ユニパックホールディンググループ
日本製紙株式会社

日本ユニパックホールディンググループの日本製紙(社長:三好孝彦)は、これまでに開発したクローン増殖技術を応用し、園芸樹木である丸葉ユーカリのクローン苗をつくることに成功しました。

日本製紙は、これまで、(1)組織培養による林木の大量増殖技術、(2)非無菌下における光独立栄養培養(※)による発根技術、(3)低温貯蔵による大量生産技術、という3つのコア技術を確立させ、世界でも画期的な技術として実用化に成功しています。いずれの技術も、当社が海外で広く展開している植林事業で植えているユーカリ・グロブラスについて、成長が早くパルプ化適性に優れている精英樹を選抜してクローンで増やしていくために開発されたものです。

丸葉ユーカリはユーカリの1種で、葉が丸く、銀色で、生け花や花束用に使われる園芸樹木です。 国内では主に愛媛県と静岡県で生産され、切枝でおよそ200万本以上が出荷されています。元来、ユーカリは人工的に発根させることが困難な樹種であり、丸葉ユーカリも例外ではなく、これまでは種子から育てる方法が採られてきました。しかし、どうしても形質にばらつきが出てしまうため、1995年、JAえひめからの依頼で当社の森林科学研究所が光独立栄養培養技術を用いてクローン増殖を試み、発根させることに成功しました。これにより、優良な系統を大量に生産することが可能になり、1999年から2003年までの5年間で、3万本以上のクローン苗を試験栽培しました。クローン苗は、生長・形態ともに均一で良好であり、生花市場で高い評価を得ています。

日本製紙は、丸葉ユーカリ以外にも、例えば日本の国花である桜をわずか1ヵ月でクローン増殖させることに成功しています。今後も機会があれば、さまざまな樹木に当社のクローン増殖技術を生かしていきたいと考えています。


(※)光独立栄養培養: 植物の光合成能力を助長することにより、栄養分の糖を与えずに二酸化炭素と水と光で植物を培養する方法


丸葉ユーカリ

 
以上