2004年4月1日

タスマニア州の原生林保護に関心を持たれている皆様へ<2>

日本製紙株式会社

当社がGunns社から購入しているチップは、タスマニアにおいて民主的な手続きを経て法制度化された地域森林協定(RFA)に基づき、生産されています。RFAにより、保護価値の高い森林は保護されており、林産業に供されている森林では持続可能な経営が行われていると、当社は認識しています。更に、現地の森林では森林認証の取得も進んでいます。
当然ながら、当社は、原生林および保護価値の高い森林の破壊的な伐採は支持しませんし、そのような破壊的な伐採から得られる林産物は購入しません。また、タスマニアにおいてそのような事実は無いと認識しています。

前回も記したように、当社は、この問題は現地タスマニアで民主的な手続きを経て解決されるべきであると考えています。
その一助として、3月9日にタスマニア州政府首相およびGunns社社長にあてて当社社長から書状を送付し、現地関係者が話し合いの場につくよう要望いたしました。
また、当社は、現地解決に向けた努力をこれからも継続するよう、グリーンピース・ジャパン、ウィルダーネス・ソサエティにも要望いたします。

(参考)当社社長からタスマニア州政府首相およびGunns社社長宛て書状の和訳文

2004年3月9日
 
グリーンピース・ジャパンおよびウィルダーネス・ソサエティが、タスマニアから日本へのチップ供給を止めさせることを目的として、当社をはじめ日本の主要な製紙会社に「要望書」を送付し、問題になっていることはすでにご承知のことと存じます。
 
当社は、30年以上にわたってタスマニアの企業の皆様と取引をおこない、良好な信頼関係を築いてきました。しかしながら、かつて、このようにタスマニアの地域の問題が我々のビジネスの妨げとなり、日本の紙関係のお客様を混乱させたことはありません。
 
我々のビジネス関係は信頼を基盤としております。私は、ガンズ社およびタスマニア森林管理団体は、RFAおよびタスマニア州とオーストラリア連邦の法律に則って森林管理事業を進めていると信じております。また、タスマニアの森林は適切に管理されており、RFAはタスマニア州民の支持を得ていると思っております。従いまして、タスマニアのチップの最大消費者である当社としましては、このような論争に巻き込まれることは非常に遺憾であります。
 
タスマニアの森林がどのように管理されるべきかという問題は、本来タスマニアの問題であります。私は、貴殿のタスマニアにおける影響力、林業に関する豊富な知識を鑑み、対立を深めているこの論争について、貴殿こそ解決に向けて積極的な行動をとられるべきであると申し上げます。タスマニア州政府と環境保護団体との間に問題があるということであれば、その問題を解決するために必要な役割を担っていただきたく存じます。
 
貴殿に対し、この問題を速やかに且つ良い方向で解決するよう努力していただき、そして、我々がこれまで築いてきた信頼関係を維持し、さらに発展させていけるよう、心よりお願い申し上げます。
 
日本製紙株式会社
取締役社長 三好 孝彦
 

 
以上