2005年10月6日

循環型社会の構築をサポートする新しい気泡コンクリート
「エコセルロモルタル®工法」を開発

日本製紙株式会社
株式会社ヴァンテック
明興防水株式会社

日本製紙株式会社(本社:東京都千代田区、社長:中村 雅知)と明興防水株式会社(本社:宮城県塩釜市、社長:野宮 明)は、紙の製造工程で発生するペーパースラッジ(製紙かす)を加工し、気泡コンクリートに配合する「エコセルロモルタル®工法」を共同開発しました。この工法による気泡コンクリート(エコセルロモルタル®)は今までにない材料不分離性・耐久性を持ち、さらに建設汚泥や焼却灰などの廃棄物を材料として配合することができます。今後、新たな資源循環を実現するエコ・コンクリートとして、全国への普及を図っていきます。

エコセルロモルタル®とは、セメント、起泡剤、水のほかにエコセルロ®(ペーパースラッジを加工した繊維質混和材)を配合した気泡コンクリートです。従来工法による気泡コンクリートは、セメントミルクやモルタルに起泡剤を配合することにより流動性と軽量性を持たせますが、材料分離を引き起こしやすいという欠点がありました。しかし、エコセルロモルタル®は、ペーパースラッジの繊維が補強効果を発揮することにより耐久性に優れ、また、ポンプ圧送圧力や地下水などの影響を軽減して配合材料を均一な密度で保つことができます。さらに、建設汚泥や焼却灰なども材料として容易に配合することができるため、廃棄物を資源としてリサイクルすることにより環境負荷を低減します。

エコセルロモルタル®工法は、国土交通省情報提供システム(NETIS)に登録され、経済産業省循環型社会対応産業振興プロジェクトにも参画しています。また、宮城県環境産業新技術支援事業に認定され、仙台市建設局と共同で下水道汚泥焼却灰を配合したエコセルロモルタル®の開発を進めているところです。
現在、日本製紙石巻工場のペーパースラッジを加工したエコセルロ®の販売は、株式会社ヴァンテック(本社:東京都目黒区、社長:倉橋 治)が行っており、認定施工業者数社が主に隙間充填材として施工する予定です。今後、さらなる研究・用途開発を行い、地域社会の持続的発展に貢献する「エコセルロモルタル®」工法を、各社共同で積極的に全国に展開していきます。

 

 
以上