2008年4月10日

バイオマスエタノール製造に関するフィージビリティ調査を開始

株式会社日本製紙グループ本社
コスモ石油株式会社

日本製紙グループの日本製紙ケミカル株式会社(本社:東京都千代田区五番町5番地1、資本金:30億円、代表取締役社長:井上敏雄)とコスモ石油株式会社(本社:東京都港区芝浦1丁目1番1号、資本金:1,072億円、代表取締役社長:木村彌一)は、国内唯一の亜硫酸パルプ製造工場(*)である日本製紙ケミカル江津事業所(所在地:島根県江津市)でバイオマスエタノール製造に関するフィージビリティ調査を実施することに合意しました。
 
バイオマスエタノール製造に関しては、食糧と競合しない第二世代(草本系や木質系)原料からの製造法の検討が急務とされていますが、技術課題のひとつとして、セルロースやヘミセルロースからエタノール原料である糖を生成する工程(糖化工程)が難しいことが挙げられています。
日本製紙ケミカル江津事業所では、亜硫酸パルプ製造工程で、エタノール原料となる糖質を含有する黒液が発生します。そこで両社は、第二世代のバイオマスエタノール製造の実用化に向けて、江津事業所において、同社のパルプ製造技術および黒液発酵技術をベースに検討を進めることが現実味のあるステップであるとの認識に立ち、技術課題の精査を含むフィージビリティ調査を行うこととしました。
 
今後1年間に亘り、国内外の有力な技術を調査し、江津事業所の黒液の性状などを評価するとともに、糖化技術の適用やエタノール発酵の生産性などの事前評価を行います。また、さらなる競争力強化に向けた技術課題の明確化を図り、バイオマスエタノール増産の可能性についても検討してまいります。
 
<調査概要>
1. 検討期間 2008年4月から1年間を予定
2. 製造拠点 日本製紙ケミカル 江津事業所(島根県江津市)
3. 目標エタノール製造能力 10,000KL/年
4. 検討内容
1) 国内外のバイオマスエタノール製造技術の調査と選定
2) 江津事業所におけるエタノール製造実証プラントの基本設計
(コスモ石油株式会社の関係会社であるコスモエンジニアリング株式会社が担当します。)
3) 事業性の評価
 
*亜硫酸パルプ製造法:パルプ製造法のひとつであり、主にレーヨンなどの化学原料用セルロースを製造する方法。日本国内では日本製紙ケミカル江津事業所のみが製造している。

 
以上