2008年6月23日

無農薬有機栽培の「いりえ茶園」と共同で見本茶園「有徳の里」を造成

株式会社日本製紙グループ本社

日本製紙グループは、高級玉露産地として知られる福岡県八女市において、全国でも珍しい無農薬有機栽培に徹したお茶作りを行っている有限会社いりえ茶園(代表 入江俊郎 注1)と共同で、見本茶園「有徳の里」を造成しました。
 
この「有徳の里」は、「農」について、営む(生産・商品化)、学ぶ(環境・教育)、生きる(流通・販売)、遊ぶ(健康・安らぎ)ことの創出を目指すとともに、生産者と消費者との交流の場として地域の活性化に貢献することを目的としています。
そうした「有徳の里」のコンセプトに適した苗木として、当社グループの独自技術で作出した苗木(フォトグリーン?)を用いて、本年3月に植え付けを行いました。茶葉は2012年春に収穫される見込みであり、当社グループの日本製紙総合開発株式会社(東京都北区、社長 吉村義孝)が自社ブランドによる販売を担当します。
 
当社グループは、日本製紙が開発した植物バイオテクノロジーを活用し、2006年から、有用な植物について、短期間に高品質の挿し木苗を効率的に生産する「アグリ事業」を展開しています。本来、これらの技術は、製紙原料となるユーカリの効率的な生産を目的として開発されたものですが、アグリ事業では、特に「光独立栄養培養(注2)」等の技術を用いて、茶樹や園芸樹木、果樹などへの応用を図っています。
 
緑茶は日本の文化を象徴する飲料として、長年、日本人に親しまれてきました。植物本来の力を最大限に引き出す当社グループの生産管理技術、そして、労を惜しむことなく、必要な手間隙かけたいりえ茶園の有機無農薬栽培による育成技術を生かし、「有徳の里」から安全で安心な茶葉を消費者の皆様に届けてまいります。
 
(注1) 農業生産法人 有限会社いりえ茶園  http://www.irie-chaen.com/index.htm
いりえ茶園は、土の健康はそのまま作物の健康であり、ひいては消費者の健康につながるとの考えに基づいて、27年前から土づくりにこだわって無農薬でお茶の栽培を行ってきました。昨年、環境に優しい農業に取り組むエコファーマーとして認定されるとともに、EUドイツの残留農薬検査に合格し、第1回世界緑茶コンテストで銀賞を受賞した経歴を持ちます。
 
(注2) 光独立栄養培養技術
組織培養でエネルギー源となる糖の替わりに高濃度の二酸化炭素と水と光を施用することで、植物自身が持つ光合成能力を引き出す培養方法。この技術は、小笠原諸島の希少な固有種で絶滅危惧種に分類された植物の苗木の増殖や全国の歴史的価値のある桜の銘木の保存に活用されるなど、日本製紙グループが取り組む生物多様性保全の活動に活かされています。
 
<参 考>
■有徳の里 概要
 
事業名 : 茶園モデル農場整備事業「有徳の里」
所在地 : 福岡県八女市大篭地区
面積 : 0.7ヘクタール
 
■共同茶園での茶苗植え付け(本年3月14日~16日に実施)

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「いりえ茶園」代表の入江俊郎氏
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共同茶園での茶苗植え付けの参加者
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植え付けの様子
 
以上