2009年7月22日

バイオマスエネルギー高生産樹木の創生に関する共同研究実施

日本製紙株式会社

日本製紙(代表取締役社長:芳賀 義雄)は、これまで東京農工大学、筑波大学と共同で、様々な切り口から耐塩性組換えユーカリ(*)の研究開発を進めてきました。具体的には、財団法人 地球環境産業技術研究機構(RITE)が取り組んだ経済産業省CO2大規模固定化プロジェクト、バイオテクノロジー技術開発組合が独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の受託事業として実施中の「植物の物質生産プロセス制御基盤技術開発」などへの参画が挙げられます。これらの成果として、当社は独自の遺伝子導入技術を用いてユーカリの耐塩性を強化することに成功しています。
 
このたび、当社は、東京農工大学、筑波大学とともに、これまでに蓄積した耐塩性組換えユーカリの研究成果を生かすため、平成21年度NEDOの新エネルギー技術研究開発「バイオマスエネルギー先導技術研究開発」に応募したところ、7月7日、委託先として採択の決定をいただきました。
 
今後2~4年間の予定で、将来実用化が期待される木質バイオマス燃料に利用する品種として、成長の早い樹木(ポプラ、ユーカリ)を対象に、塩害地、乾燥地等の環境下でも生産性の高い樹木を創生する研究開発を進めてまいります。
 
<委託研究概要>
テーマ: 「遺伝子組換えによるバイオマスエネルギー高生産樹木の創生に関する研究開発」
 
期間: 平成21年~22年(2年間)
 
研究受託者:
日本製紙株式会社
国立大学法人東京農工大学(共生科学技術研究院 生命機能科学部門 小関良宏 教授)
国立大学法人筑波大学(生命環境科学研究科 遺伝子実験センター 渡邉和男 教授)
 
*耐塩性組換えユーカリ
土壌細菌やマングローブのような耐塩性植物から耐塩性に有効な遺伝子を取得し、これを日本製紙が独自に開発した遺伝子導入技術を用いてユーカリに組み込んだもの。海水に相当する塩分濃度の塩水を灌水しても枯れないことを確認している。

 
以上