2009年11月30日

独自技術で育成した桜の希少種41品種を提供
~静岡県「日本の桜の郷づくり」の実現に協力~

株式会社日本製紙グループ本社

当社グループの日本製紙株式会社(社長 芳賀 義雄)は、同社独自のバイオ技術を用いて国立遺伝学研究所(静岡県三島市)の貴重な桜の保護に取り組んできました。今回、その活動を通じて、静岡県が推進する「日本の桜の郷づくり」の植樹活動に国立遺伝学研究所の貴重な桜の苗木41品種を提供いたします。
 
静岡県の「日本の桜の郷づくり」の取り組みは、同県が本年1月に策定した「桜で彩る富士の景観づくり構想」の一環として進められているものです。
日本製紙は独自に開発した挿し木技術「光独立栄養培養技術(注)」を活用し、2006年より、国立遺伝学研究所が保有する、由緒ある桜や花の色が珍しい桜など、260種類にもおよぶ日本の桜の貴重な遺伝資源を後世に伝えるため、後継木の育成に取り組んできました。
静岡県の「日本の桜の郷づくり」の植樹活動では、日本製紙が育成した苗木が国立遺伝学研究所を通じて提供され、国立遺伝学研究所を中心とする市町の学校や寺社、公園等に植樹されます。
本年3月4日には、静岡県三島市の三島市立北小学校に4品種の植樹が行われましたが、今回は提供する品種が41品種に拡大され、また、三島市、沼津市などをはじめ静岡県内20ヵ所以上で植栽される予定です。
 
当社グループは、今後も「光独立栄養培養技術」を活用し、日本の様々な桜を楽しむことができる「日本の桜の郷づくり」の実現に貢献してまいります。また、当社グループは絶滅危惧種に指定された植物などについても同技術を用いた挿し木で増やすことに成功しており、これからも、桜だけでなく、貴重な樹木・植物の保護に貢献してまいります。
 
(注)光独立栄養培養技術
組織培養でエネルギー源となる糖の替わりに高濃度の二酸化炭素と水と光を施用することで、植物自身が持つ光合成能力を引き出す培養方法。この技術は、小笠原諸島の希少な固有種で絶滅危惧種に分類された植物や歴史的価値のある桜の名木の保存に活用されるなど、日本製紙グループが取り組む生物多様性保全の活動に生かされています。
 

 

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