1998年9月24日
以上
塩素・苛性ソーダ製造設備隔膜電解法からイオン交換膜電解法に転換
日本製紙株式会社当社は、岩国工場の塩素・苛性ソーダ製造設備を、隔膜電解法からイオン交換膜電解法に全面転換することを決定した。
日本製紙岩国工場は、化成品やパルプ製造用の自家消費薬品供給のために、日本の紙パルプ工場の中で唯一電解工場を持ち、塩素、苛性ソーダを生産している。 岩国工場の電解設備は、昭和36年に水銀法でスタートしたが、環境汚染防止の観点から、昭和49年に隔膜法に製法転換した。しかし、隔膜電解装置も四半世紀経過すると、メンテナンス費用も増大し、これ以上の製造原価の低減や省力化も不可能と判断され、このたびイオン交換膜法に製法転換することとした。
この転換により、蒸気・電力原単位が改善され、省エネルギーに役立つほか、昼夜シフト運転が強化できることで、夜間電力使用による電力コストの引き下げも可能となる。
なお当社岩国工場の設備は、日本で最後まで残った隔膜電解装置で、今回の製法転換により、日本での隔膜電解法はすべて姿を消すことになる。
1.転換工事概要
イ) イオン交換膜設備一式
能 力 : 31,200t/年(苛性ソーダ換算)
… 現状とほぼ同じ
ロ) 液塩,苛性ソーダ充填設備増強
ハ) 塩水精製設備更新、増強
ニ) 整流器更新
2.総工費 14億7千万円
3.工期 平成10年9月着工。 平成11年8月完成。