水まわりの課題解決から生まれた新たな商品
クリタックがCu-TOP®に見いだした可能性

クリタック株式会社
商品部商品開発課 木戸秀氏
営業本部営業二課企画チーム 阪本智美氏

水まわりの新たな商品アイデアを模索していたクリタックが出会ったのが、日本製紙のCu-TOP®だ。水に入れて使える特性と木材由来のパルプ素材に可能性を感じ、約1年にわたる検証を経て、加湿器・除湿器のタンク内の衛生維持を目的とした「Cuっとクリーン」として商品化。Cu-TOP®との出会いから商品化までの試行錯誤と、今後の水まわり用途への可能性について、クリタックの二人に話を聞いた。

会社紹介、自己紹介をお願いします。

木戸:クリタック株式会社は、水処理関連の製品を扱う会社です。家庭用から業務用まで、水に関わるさまざまな商品を提供しています。
私は商品部商品開発課に所属しています。商品開発課では、研究・企画・設計から量産の立ち上げ、品質保証まで、一貫して商品開発に関わっています。入社以来、長く営業を担当していましたが、2023年に商品開発課へ異動しました。営業時代に培った現場目線やお客様の声を開発プロセスに活かせるよう日々取り組んでいます。

阪本:営業本部の企画チームに所属しています。InstagramをはじめとしたSNSの運営や広告マーケティング、公式楽天市場の運営、パッケージやブランディング、展示会でのPRなど、商品の魅力を伝えるための幅広いマーケティング業務を担当しています。商品とお客様をつなぐコミュニケーション設計が私の役割です。

長年愛され続ける、浄水の定番 クリタックのろ過蛇口「クリペットFB」

持続可能な製品開発に木材由来の「Cu-TOP®」がマッチ

どのような経緯でCu-TOP®を検討されたのですか。

木戸:持続可能な社会に貢献できるような開発がテーマの一つとしてあり、水まわりの商品アイデアを一から模索していました。しかし、なかなか具体的なアイデアが見つからない中、当時の親会社の担当者から紹介されたのがきっかけでCu-TOP®という素材を知りました。その後、日本製紙の方からいろいろとレクチャーを受けました。

阪本:最初は、マスクなどに使われている不織布を何かクリタックの雑貨に使えるのではないかというところから始まりました。

木戸:パルプの現物を見た率直な第一印象は、「なぜ青いのだろう」という驚きでした。水に入れて使えることや、銅という点も新しいのではないかと感じました。青くなる理由は理解できましたが、研究を進める中で、非常に細かいのに銅がしっかり付いていることが印象的でした。びっしりと銅が付いていて、銅の溶出量を見ても、きちんと銅が出ている。表面積が大きいからだと思いますが、こんなに細かいものでも効果があることには驚きました。

阪本:石油由来ではなく木材由来の素材であることも持続可能な材料という意味で魅力でした。商品化したときにコンパクトにできそうだという点も良かったです。大きくて立体的なものは販売しづらいですが、軽くてコンパクトなら、商品開発を進めやすいと思いました。

カビへの効果と持続性が商品開発へのポイント

商品開発を進める中で、重要視した点は何でしたか。

木戸:カビへの効果があるかどうかです。また、当社の商品は6カ月を交換目安にしているので、使い始めてから6カ月程度経った後でも、きちんと効果が残っているのかという持続性も重視しました。
水の中にCu-TOP®を入れて、水がどう変化するかという試験結果が十分になかったので、日本製紙の皆さんにも協力いただきながら、必要なデータを蓄積していきました。試験条件を一緒に詰めていただいたり、試験機関を紹介していただいたりして、大変助かりました。

阪本:加湿器や除湿器の水タンク用商品はすでに市場にありました。薬剤を入れるタイプの商品もありますが、薬剤を使うことに抵抗がある方もいます。加湿器を使いたいけれど、手入れが面倒という悩みと、薬剤を使うことへの抵抗感。その二つを解消できるのであれば、加湿器向けの商品として非常に良いのではないかと思いました。
こうした検討を経て商品化したのが、加湿器・除湿器のタンクに入れて使用する「Cuっとクリーン」です。Cu-TOP®を採用し、タンク内の雑菌の繁殖やにおいを抑える商品として形にしました。

加湿器・除湿器のタンクの水をクリーンに保つ抗菌剤「Cuっとクリーン」

水分を含んだCu-TOP®をどう商品化するか試行錯誤

仕様にはどのようなこだわりがありますか。

木戸:袋状のものにする、ケースに入れる、袋に入れるなど、いろいろ検討しました。お茶パックのようなものでは破れてしまうことがあるので、ある程度強度のある素材を選びました。
水分を含んだままのCu-TOP®を入れると、シールができないという課題もありました。一度乾かしたパルプを詰める方法も試しましたが、作業が大変でした。最終的には、水分を含んだまま封入する仕様にしました。

阪本:お客様が商品を開けたときに驚かないように、中身が水分を含んでいることを事前に伝える必要がありました。また、Cu-TOP®そのものが青いことに驚かれる可能性があるので、「商品は青い」ということをパッケージでしっかり伝えるようにしました。
さらに、薬剤を使うことに抵抗のある方にも受け入れていただきやすいよう、「木から生まれたパルプ素材」であることを前面に打ち出しました。

しっかり伝えるためにいろいろな工夫が施されたパッケージ

Cu-TOP®で広がる、水まわり商品の可能性

今後、Cu-TOP®を使ってどのような商品を検討したいですか。

木戸:ある展示会でホテル関係者の方から「加湿器の清掃に手間がかかっている」という声をいただきました。こうした現場の声から、清掃やメンテナンスの負担軽減にもCu-TOP®を活用できるのではないかと考えました。そうした課題を少しでも解決できるのであれば、業務用にも新たな可能性があると感じています。

阪本:家庭向けでも、お風呂や洗濯など、水を使う部分について、引き続きCu-TOP®を活用できる用途を検討していきたいです。

打ち合わせを行う、木戸さん(右)と阪本さん(左)

聞き手:日本製紙 バイオマスマテリアル・コミュニケーションセンター
取材日:2026年8月18日
写真:日本製紙

※所属・役職は取材当時(2026年8月18日)のものです。