こだわりの天然有機肥料「太郎100」
豊かな徳島の地で育む有機特殊肥料「太郎100」
株式会社豊徳
徳島県小松島市に立地する株式会社豊徳は、1955年に設立され、運輸並びに請負業務、有機肥料「太郎100」の製造および販売と、多角化経営を実践している。
株式会社豊徳(徳島県)
太郎100を支える豊徳のエキスパートたち
まずは簡単な自己紹介をお願いします。
小河:製造部の小河です。1981年に入社してはじめの7年間は化成品関連やパルプ仕込みの三交替勤務をしていました。2008年からは日勤で「太郎100」の製造部門を担当しており日々の品質維持と生産性向上に努めています。
元木:製造部の元木です。私は1988年に日本製紙に入社しました。以前は小松島工場でPPCのカッターを担当、岩国工場での助勤も経験しました。1999年からはオーパー事業に携わっていましたが、昨年9月の事業撤退に伴い、10月からエコと太陽光事業を担当しています。新しい風となれるよう修行中です。
小西:製造部の小西です。エコ事業には10年間携わっており、以前はお茶のサンルージュ畑で挿し木などのサポートもしていました。今年の4月からは班長として、主にピット(太郎100の製造場所)でのみみずへの餌やりや袋詰めを担当しています。丁寧な仕事を心がけています。
池本:製造部の池本です。エコ事業の統括を担当しています。日々の生産管理から、天候に左右される現場での工夫まで、幅広く業務に携わっています。より良い太郎100を届けられるよう努めています。
2年もの歳月をかけて丁寧に製造される太郎100
太郎100がどのように作られているのか教えてください。
池本:みみずの餌作りに1年、みみずふん土の生産に1年で合計約2年の歳月をかけて太郎100を製造しています。みみずの餌は、近隣の農家さんから入手したシイタケ廃菌床を重機のタイヤで潰したあとに牛糞を混ぜ餌山にして発酵させて作ります。発酵中の餌山内部温度は最高80℃まで上昇します。月に一度攪拌するサイクルを繰り返して、完熟になるまで1年間続けていきます。
小河:複数の重機を使用して太郎100を製造しているので重機がより運転しやすいように、ピットを自らの手で改良しています。
小西:みみずは完熟した餌しか食べないので、餌作りだけでも1年くらいかかってしまいますね。ピットでは随時、餌と水をみみずに与えます。みみずは餌を食べようとすると上部に移動する習性があります。餌が少なくなったらその上に餌を与えるというサイクルを1年続けます。そしてみみずの糞のみを回収します。
池本:みみずの糞は、周辺土壌に比べてチッソや炭素が多くなります。作物に吸収されやすい形のカルシウム・マグネシウム・カリ・リン酸も豊富でアミノ酸の種類や含量も多く、いろいろな酵素などが含まれています。
小河:みみずの腸内は酵素だらけで、餌と一緒に飲み込んだいろんな微生物もいっぱい酵素を出しており、みみずの腹を通過することで有機物も土も劇的に変化します。
元木:海外では、このみみずふん土を「黄金の土」とも呼ぶそうですね。
雨ニモマケズ風ニモマケズ熱ニモマケズニ育つ太郎100
自然豊かな小松島市での太郎100の製造で天気に左右されることはありますか?
池本:365日天気が同じではないので、特に台風時が大変です。昔は台風が1週間の準備期間がありましたが、近年は2、3日しかありません。ゲリラ豪雨時にはピットの屋根がテントごと吹き飛ばされてしまうこともありました。
小河:そうした経験から、岩国工場に昔あったゴルフ練習場のネットを有効活用してピットの屋根にしています。自分たちでネットをサイズに合わせてカットし、メンバー全員で手縫いしました。6月くらいからネットをかぶせていきますね。夏はテントを開けて風通しを良くし、水分を確認しながら散水もしています。
小西:みみずの生涯は基本的にピットの中で循環しています。太陽熱で温度が上がりすぎて脱走しないように、また乾燥しないように常に気を配っています。土の状態を見ただけでおおよその水分値は把握できるようになりました。みみずたちに水を与える時は、「水をこれからあげるね!」と声をかけながら、日々愛情をもって育てています。
さまざまな作物の栽培で使用される太郎100
太郎100を実際に使用したエピソードを教えて下さい。
小河:我が家の家庭菜園ではタマネギの栽培で太郎100を使用しています。用途に応じて3種類の苗を使用しています。昨年収穫したタマネギ約500個は近所や職場でお裾分けしました。相性の悪い作物はほとんどありませんね。
小西:私も自宅で使っていますが、夏には大玉スイカが10個くらい収穫、トマトや枝豆もおいしく育ちます。会社で試験的にサツマイモを栽培した時は大きくなりすぎて規格外になったりするほど効果を実感しましたね。
元木:私はまだ家庭菜園はやっていませんが、これから色々着手していきたいですね。自分で美味しい野菜を作れるようになりたいです。
池本:プランターでの栽培では約1割程度の混合をおすすめしますね。 また古くなった土の有機再生材としての効果もあります。
スキルアップとチームワークで未来を拓く太郎100
太郎100のこれからついて教えて下さい。
元木:私は、早く仕事を覚えてさまざまなスキルを取得していきたいです。ちょうど昨日、小型ホイルローダーの免許の講習を受け減点無しの満点でした。これからも重機の資格を随時取得していく予定です。
小西:私は4月からは班長として、ピットでのエサやりや袋詰めを担当しています。15kgの袋を1日に100個以上の袋詰めを実施することもあり、たくさんの体力を使います。男性よりもフィジカル面では劣るかもしれませんが、これからも性別関係なく丁寧に仕事を続けていきたいです。
池本:小西さんは2016年にからエコ事業に加わって毎日コツコツ仕事をしています。袋詰めのシール密閉や製品の高さも一定で仕事がとても早い。我々にはできない緻密さがあるからすごいですよ。太郎100の課題は、「売れるときに作れない、作りたい時に売れない」という生産と販売の差です。このギャップを解消していきたいと考えています。太郎100は生産に2年かかるため、すぐに増産はできません。地道に作り続けて増産し、確実な生産体制の維持に努めていきたいです。
小河:社名の「豊徳」はもともと国策パルプの旭川・勇払工場にあった「富島産業」が小松島に進出することになり、当社が拠点を置く「豊浦町」の「豊」と徳島県の「徳」を組み合わせて「豊徳」になったそうです。現在の会社のロゴは、従業員から募り、手と手を携え互いに協力し合うということを込めて、平成16年につくられました。これからもメンバー一丸となり互いに協力しあいながらこの自然の恵み豊かな徳島の地で事業を育んでいきます。
インタビュー参加者
株式会社豊徳 製造部
池本幸資
小河秀樹
元木祥文
小西ゆかり
聞き手:日本製紙 バイオマスマテリアル・コミュニケーションセンター
写真:日本製紙撮影
取材日:2026年4月16日
