「変化を楽しむ」2代目の決断 逆境を乗り越えて

桧山牧場 
桧山嘉男氏
(栃木県)

栃木県那須烏山市に位置する桧山牧場は、1971年に設立して酪農を営んでいる。現在、搾乳牛47頭を飼養する桧山牧場では、2023年8月から国産養牛飼料「元気森森®」を導入。2代目である桧山嘉男氏に、その導入経緯から乳量向上、そして「変化を楽しむ」酪農への想いについて話を聞いた。

桧山牧場

自分のやりたい酪農のために 牛舎をリニューアル

私は北海道の畜産学校で約2年間学びました。学校では畜産にまつわる習慣や牛の管理方法を徹底的に身につけました。根底には、やはり「牛が好き」という気持ちが強くありましたね。北海道から戻った私を待っていたのは、我が家の古い牛舎でした。このままでは自分のやりたい酪農ができない、効率が悪いと感じたので長野県の牛舎設計の会社に直接足を運び、長年の蓄積された牛舎データに基づいたリニューアルを決意しました。牛舎を変えたことで牛の管理が格段にしやすくなり、牛がストレスを感じることも少なくなりました。30年が経った今でも、柱などはメンテナンスをしながら使っていますよ。寸法も当時のままです。

2代目の想いが形になった牛舎

乳量低下と病気の危機 毎日メモする習慣が救った

牛舎リニューアル当初は乳量が順調に伸びましたが、経験や知見が少なかったこともあり、すぐに乳量は低下。一気に経産牛1頭あたりの年間出荷乳量が8,900kgまで落ち込み、病気にかかる牛も続出しました。獣医師と話す中で、お叱りを受けたこともありました。この苦境を乗り越えるため、私は毎日エサのメモを取り始めました。エサの種類、給与量、残渣量、そして乳量を記録し続けることで、「何を食べると牛にとって良いか、悪いか」が徐々に分かってきたのです。エサの足し算、引き算の法則を理解し、乳量アップの糸口をつかんでいきました。

ほかの人が使ったことのない飼料を試してみたい

元気森森®と出会ったのは、ちょうど飼料が高騰していた時期でした。可消化性繊維の飼料をいろいろ試しましたが、コストダウンを目的としたエサは手応えが今ひとつでした。牛のお腹は膨れるものの、乳量は上がらないという状況でした。私は牛が健康であれば乳を出すものだと思っています。人によってその定義は違うかもしれませんが、「よく眠り、水を飲み、よく食う牛」が理想ですね。そんな中、酪農とちぎから紹介されたのが元気森森®でした。当時、ほかの農家ではまだ使用しているところが少なかったので、まずは試してみたいと思いました。

乳成績が向上、牛が健康に

長年毎日エサのメモをしてきた自信があるので新しい飼料を使用する不安はありませんでした。元気森森®の給与テストは2023年8月から開始し、まずは1kgオンの状態で始めました。乳成績が全体的に良くなりました。乳蛋白は、今まで3.3%を超えることは無かったのに3.4~3.6%と増加しました。また発情兆候は非常に良くなりましたね。本採用は2024年1月に決めました。

元気モリモリな牛

元気森森®が引き出す牛のポテンシャル

元気森森®を導入してから約2年、牛の餌を食べる量が増えた印象があります。いろいろな飼料を組み合わせて給与していた頃は50kg/頭・日でしたが、現在は51~2kg/頭・日です。以前は「繊維は長くなくてはならない」という固定観念がありましたが、元気森森®を導入してからは、細かい繊維も良い効果をもたらすと実感しています。腹の隙間に細かく入り込み、第一胃に有効なルーメンマットを形成しているのではないかなと思います。現在、年間出荷乳量は12,400kgに達しています。今年の夏は病気がなく、牛たちの健康状態が非常に良好でした。また獣医師からは、ほかの農家さんに比べてうちの牛たちは、便が固いので直腸検査がしやすいとよく言われます。また元気森森®は乾燥しない方が牛の食いつきが良い印象はありますね。ですので元気森森®が乾燥しないよう、ビニールをかけて保管しています。

牛の食いつきを良くする保管術

餌を最大限に生かすメニュー作成に注力

私は常に変化を恐れず、新しい挑戦を続けていきたいと考えています。来年の自分が今と同じエサを使っているとは限りません。常に乳量や牛の状態を確認し、餌を最大限に生かすメニューを作成することに注力しています。これからも、乳量アップと牛の健康維持を追求し続けていきたいと思います。

餌のチカラを引き出す桧山さん

聞き手:日本製紙 バイオマスマテリアル・コミュニケーションセンター
取材日:2025年11月27日
写真:日本製紙撮影