国産の安定供給に共鳴 元気森森®を選んだ理由
株式会社近藤榮一商店
専務取締役 大内勝彦氏 / 開発営業 若林彩絵氏
(兵庫県)
株式会社近藤榮一商店は、昭和初期に製油業を創業して以来、養豚飼料事業を経て、養牛飼料の製造・販売を手掛けてきた。1973年には初代社長の名を冠して法人化を果たし、現在は兵庫県丹波市に本社を置き、事業を展開している。専務取締役の大内勝彦氏と開発営業の若林彩絵氏のお二人に国産養牛飼料「元気森森®」を使用した飼料について話を聞いた。
産業の変化に伴走する製品づくり
株式会社近藤榮一商店の成り立ちについて教えてください。
若林:昭和初期に、初代社長の近藤榮一氏が奥さまと2人で会社を立ち上げたと聞いています。当初は、なたね油を製造して販売していたそうです。そして近隣に養豚農家が多く、養豚飼料の需要があったことから、大豆を利用した養豚向け飼料の製造・販売へ移行していったとのことです。
大内:私の実家では養豚業を営んでおり、昔から近藤榮一商店の飼料を使用していました。学校を卒業して数年、他社で修行をしてから入社しました。初代社長の時から半世紀以上、当社で働いています。
若林:専務はまさにレジェンドです。初代社長の時代から現在に至るまで会社のすべてを知っているので、分からないことがあればまず専務に聞きますね。
大内:レジェンドなんて、笑。会社の成り立ちの話題に戻りますが、栄一さんの息子である2代目社長の時期に、近隣の養豚農家が次々と廃業していく農家が増えました。このタイミングでメイン事業を養豚から養牛飼料へと移行していきました。
若林:私は、その養牛飼料事業を始めるタイミングで声をかけていただき、入社しました。それまでは農学系の学校で学び、その後は酪農組合に約18年勤務していました。現在は、お客さまとの信頼関係づくりを大切にしながら、兵庫県を中心に営業活動を行っています。
当社の理念にマッチした元気森森®
元気森森®との出会いについて教えてください。
若林:出会いは2022年10月に九州で開催された全国和牛能力共進会ですね。当社もブース出展をしており運営や説明員として現場に行っていました。当社が元気森森®のブースへ伺い、元気森森®が国内生産で安定供給ができるということを知り気に入りました。当社のこだわりも国産で安定供給できる飼料つくりなので、理念にマッチしたのです。
大内:そして2023年の3月に元気森森®の営業の方々が来社して説明され、元気森森®の配合テストが始まりました。
若林:最初に元気森森®のサンプルを見た時は、単独では嗜好性がなく牛も食いつくような見た目にも見えず、正直良い印象はあまりありませんでした。しかし私たちが保有するさまざまな原材料を組み合わせることでより良い飼料になるのではないかと思いました。
大内:テストは従来品の一部置き換えからスタートしました。置き換え品がドライ寄りだったこともあり、元気森森®はどちらかというとウェット寄りでしたので、配合には苦労しました。製造担当メンバーが配合や設備設定などいろいろ調整し、最終的には当社7製品のうちの2製品に元気森森®を配合しています。
若林:元気森森®の納入形態に関しては、ラップ包装がされているロールベールなので、屋根の下ではないところに置ける点が良いですね。当社は屋内限定の乾燥品や液体の原材料を使用することが多いのです。数少ない外置き可能な原材料で助かっています。
元気森森®を配合した「もりもりブラック」と「KMR」
元気森森®を配合した製品について教えてください。
大内:2製品ともに発酵飼料です。元気森森®は国産で安定供給できるサステナブルな機能性繊維のひとつとして配合しています。
大内:まず一つ目は「もりもりブラック」です。本製品は、「元気森森®」をベースに、白鶴酒造が開発した「サケ炭※」を配合した発酵飼料です。「牛たちがもりもり食べて、元気に育ってほしい」という願いと、サケ炭の象徴である「ブラック」を組み合わせて名付けました。酪農、繁殖、肥育まで、幅広い用途で活用いただけるのが特徴です。フレコンと20kg袋の2タイプで販売しており、特に「臭気を抑えたい」「飼料設計を安定させたい」などといった課題をお持ちの生産者から評価されています。
※:酒類の製造時に発生する処理後活性炭
若林:もう一つは「KMR」という製品です。昨今の輸入牧草価格の高騰を見据え、兵庫県丹波市の酪農家を中心としたクラスター事業を通じて開発されました。サケ炭やカカオハスク(カカオの種皮)などを配合しているのが特徴です。ちなみに、兵庫県立農業大学校の令和7年度の卒業論文にて、肉牛にKMRを給与した試験結果が取り上げられるなど、学術的な評価もされています。
大内:また一般的なTMRは繊維分が長いため、柄杓(ひしゃく)ですくうことが難しいケースが多いのですが、私たちの飼料は扱いやすさを追求しました。柄杓ですくえる形状なので、個体ごとの分離給与にも適しているという点は、現場の方々からも高く評価いただいているメリットの一つです。
若林:ありがたいことに、「元気森森®」を配合いただいたお客さまの多くは、その後も継続的にご使用くださっています。もちろん、すべての環境に合うとは限りませんので、合わない場合は給与が中止になることもあります。私たちが一番恐れているのは「合わなかった」と指摘されることではなく、何も言われずにそのままひっそりと使われなくなってしまうことなのです。
大内:ですから常に、お客さまの声に耳を傾け、それを製品改良に活かす「お客さま第一」の姿勢を何よりも大切にしています。
若林:最近ですとSNSやGoogleなどに元気森森®の広告を目にすることが多く、お客さまからあの元気森森®が配合されているのね、と言ってくださることがあります。次第に元気森森®の知名度も上がってきているのではないかと思っています。
国産にこだわり高付加価値な製品開発に挑戦していく
これからの未来展望ついて教えてください。
若林:より効果的で付加価値の高い飼料を作りたいです。そのためには「元気森森®」の水分調整がもう少し必要です。含水率を抑えることで製造設備の負荷を軽減できるだけでなく、空いた容量にほかの栄養価の高い成分を配合する余地が生まれます。結果として、高付加価値な製品が可能になるはずです。当社は創業から50年を迎えました。この先の50年、100年もお客さまに愛され続ける企業であるために、挑戦を続けていきます。
大内:天然の牧草はどうしても品質にバラつきが生じやすいものですが、「元気森森®」はその点、品質が安定しているのが強みです。私たちは飼料製造を専門とする会社として、これからもお客さまの現場の声に耳を傾け、国産原料にこだわった製品開発を続けていくつもりです。現在、北は東北から南は九州まで販売網が広がっていますが、このネットワークを活かし、より多くの生産者様に信頼される製品を安定してお届けできるよう、製造体制の強化にも注力していきます。
聞き手:日本製紙 バイオマスマテリアル・コミュニケーションセンター
取材日:2026年6月24日
写真:日本製紙撮影
