より良い酪農を目指し新しいことにチームでチャレンジ
有限会社増茂デイリー 増茂崇氏(群馬県)
株式会社ラクテックス 専務取締役 広沢清昭氏(群馬県)
酪農家「増茂デイリー」は生乳の販売と飼料の製造販売を受け持つ「ラクテックス」と二人三脚で群馬県伊勢崎市という暑さの厳しい場所で事業を続けてきた。暑さに弱い牛は夏に体力が落ち、乳量や乳成分に影響がでる。だが、その問題解決に元気森森®が一役買っているという。お二人に話を聞いた。

安心安全な牛乳を作り、自分たちで売る

まず増茂デイリーとラクテックスについて教えてください。
増茂:もともとは60年近く前に牛一頭からスタートしました。昭和63年にヘリンボーンパーラーを備えた牛舎を建設し、搾乳牛も70~80頭に増えました。平成31年にはロボット搾乳機のある牛舎が稼働を開始し、今では300頭(乾乳牛含む)を飼養しています。ヘリンボーンパーラーで130頭搾乳し、ロボット2台で130頭搾乳しています。周囲の農家に協力してもらって8ヘクタールの畑で牧草も生産しています。農場HACCP認証を取得し、牧場から安心安全な牛乳以外ださないことを徹底しています。

広沢:ラクテックスは「自分たちの牛乳を自分たちで売ろう」と農家が集まって作った会社です。その後、2008年のリーマンショックで餌代が高騰し、とても苦しい時期を迎えました。経営のためにできることはないかと経営がうまくいっている農場を視察し、エコフィードの取り組みを取り入れることにしました。現在は鮮度の良い生のおからとビール粕、パイナップルなどを使っています。それに牧草と配合飼料をまぜ、乳酸菌で発酵させます。その後、元気森森®を配合して増茂デイリーには納品しています。パイナップルの香りがする、おいしい「牛の給食」です。
面白そうだった「木から生まれた牛のエサ」

元気森森®を知ったきっかけは何ですか。
増茂:2023年秋の上毛新聞広告です。大きな広告で目を引きました。「変わったもの売っているなぁ。木を牛が食べるのか?」と思い、面白半分で問い合わせしました。ちょうど海外情勢や為替の影響で、原材料価格が跳ね上がり、国産飼料が欲しいと思っていた時期でしたので、国産飼料という点に関心がありました。
広沢:増茂さんから話を聞いたときは国産飼料で繊維質が得られるなら「面白そう」だな、と思いました。将来にわたって安定的に粗飼料、つまり繊維質を得られる一つの助けになると思いました。
増茂:実際に営業の話を聞いて、採用済みの農家の結果も見て、無償サンプルを出してもらえるということだったので、「やってみよう」と決めました。
元気森森®で夏場の乳脂肪増と繁殖成績向上
試してみていかがでしたか。
増茂:2024年の春から給与を始めました。今までの飼料設計に最初は一頭当たり0.75キロ追加し、食い残しがないので1.7キロまで増やしました。今も飼料設計には組込まず1.7キロを上乗せする形で使っていますが、規定量に加えて上乗せしている元気森森®も含め完食しています。しっかり食べて、しっかりお乳を出してほしいので、これはいいなと思いました。群馬県でもこのあたり(伊勢崎市)の夏はとにかく暑い。それでも給与を開始した2024年の夏は、高価な添加剤を例年の半量に減らしても、乳脂肪を維持出来ました。そして夏場でもたくさんの牛によい発情が来ていました。これは牛のコンディションが良い証拠だと思います。

広沢:乳脂肪が下がらなかったので乳業メーカーからのクレームが一件もありませんでした。例年、増茂さんと対策を練って、獣医さんに相談し、それでも乳脂肪が下がってくると、次に何をするか、その結果がいつ出てくるか頭を悩ませるのですが、2024年は何もなし。生乳を売る私たちにとって、とても嬉しい結果でした。
暑熱対策が必要な農家には元気森森®を

どのような農家にお勧めしたいですか。
増茂:暑いところの農家さんにはぜひお勧めしたいです。乳脂肪と繁殖成績で効果が見られます。乳脂肪は酪農家の経営に直結していますので、夏場に下がって困っているなら元気森森®です。また、夏場の繁殖成績が良くなり、夏に妊娠して翌春の出産を迎えられるのも大きなポイントです。年間を通して平均して妊娠と出産があれば、生乳が安定して出荷できます。この暑い場所でこれだけの結果が出せているのですから、暑熱対策が必要だと思われているすべての農家さんにお勧めします。
元気森森®を継続してさらなる結果を期待

今後の目標についてお聞かせください。
広沢:元気森森®を使ったおいしくて栄養があって牛が食べやすい飼料を作り、牛が気持ちよく過ごし、乳成績も向上していくというプラスの循環を回していきたいと思っています。
増茂:元気森森®を継続し、今年の夏は乳量も含めた全てが向上したら良いと思っています。乳脂肪と繁殖成績では成果がでたので、もう一つ上の結果がでたらいいですね。元気森森®に期待しています。
取材日:2025年3月7日
文章:日本製紙株式会社
写真:日本製紙株式会社