新牛舎立ち上げと飼料難を乗り越えて
山本牧場
山本訓氏(栃木県)
栃木県矢板市にある山本牧場は、約100頭の牛を飼養している。この土地は祖父の代に開墾され、父の代から約50年間酪農が行われてきた。牧場では、11haの土地で自家栽培したトウモロコシを飼料として使用。山本牧場では、2022年8月から搾乳牛に「元気森森®」を給与し、2023年からは「にんじん森森®」も給与している。山本牧場3代目 山本訓氏に話を聞いた。

新牛舎の立ち上げからのチャレンジ

2021年に牛舎を新設しました。このタイミングで新しいことや今までとは何か違うことをやりたいと思っていました。当時は輸入牧草が手に入りにくく、飼料集めに非常に苦労していました。そのような中、酪農とちぎの顧問でもあり、高校時代の恩師である齊藤先生(現シルバーデーリィクラブCowアドバイザー)から元気森森®を紹介してもらいました。国産で安定供給できることに魅力を感じ、使ってみることにしました。
元気森森®が夏場の乳脂肪に寄与

2022年8月から元気森森®の給与を1頭あたり1kgから開始しました。当時は乳脂肪対策として脂肪酸カルシウムなどを給与していたのですが、1か月くらいで乳脂肪がすごく上がったのです。 給与2ヶ月目には、元気森森®の給与量を1頭あたり2kgに増やし、脂肪酸カルシウムの給与を中止しましたが、それにもかかわらず乳脂肪の減少は見られませんでした。3ヶ月目には1頭あたりの給与量を3kgに増やしましたが、夏場であっても乳脂肪は下がりませんでしたね。食いつきも良いので、重曹なども減らしてみようとチャレンジ、最終的に12月ぐらいに重曹とイースト菌の給与を中止にしました。 本当に順調な流れで元気森森®の効果が出たんですよ。現在も1頭当たり3kg給与しており効果は継続中です。
にんじん森森®給与後、夏場に牛の鳴き声が増えた

以前、人参ジュース粕由来の飼料を使用していましたが、取り扱いが難しく使用をやめざるを得なかった経験があります。しかし、齊藤先生から紹介された「にんじん森森®」は、固形のためハンドリングが容易で、1回の使い切り包装であった点が魅力的でした。分娩後の発情回帰の効果を確かめる目的で、乾乳牛に週に2回の給与を1ヶ月続けました。驚いたことに、分娩後早めに牛の鳴き声が増え、発情行動が顕著になりました。これを受けて、「にんじん森森®」の給与を現在も継続しています。また「にんじん森森®」は嗜好性が高く、牛が非常に好んで食べる様子が見られています。
乳量増加への道のり

最近は平均乳量も上がってきており、現在は年間10,000kgとなっています。近いうちに11,000kg近くまで到達できればと思っています。これからも国産で安定供給できる「元気森森®」と「にんじん森森®」を併用し使っていきたいですね。そして酪農とちぎや各メーカーが主催する勉強会や共進会に積極的に参加して、良い技術を取り入れて健康で元気な牛を増やしていければと思います。
聞き手:日本製紙 バイオマスマテリアル・コミュニケーションセンター
取材日:2024年4月19日
写真:日本製紙撮影
聞き手:日本製紙 バイオマスマテリアル・コミュニケーションセンター
取材日:2024年4月19日
写真:日本製紙撮影