PakUpcycle研究室

PakUpcycleパックアップサイクル研究室

飲料用紙パック(以下、紙パック)のリサイクル率向上のため、紙パックのアップサイクルを目指すPakUpcycle。ここでは、アルミ付紙パックのリサイクル拡大を目指す取り組みを紹介します。

紙繊維・ポリエチレン・アルミニウムで構成されるアルミ付紙パックは、バリア性に優れたアルミニウムを使用することで、常温で長期保存することが可能です。リサイクル工程では、「紙繊維」は家庭紙等に再利用される一方、残りの「ポリエチレンとアルミニウムの混合物」(以下、ポリアル)は、マテリアルリサイクルにおける技術的な難しさから、RPF化や廃棄物処理がされてきました。PakUpcycleでは、㈱リプロ・萩原工業㈱と共同で、現在廃棄物処理されているポリアルのマテリアルリサイクルを推進しています。

PakUpcycleの
3つのポイント

  • アルミ付紙パックの
    リサイクルフロー

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    アルミ付紙パックのリサイクルフロー

    実はアルミ付紙パックもリサイクルできることをご存知でしょうか?リサイクル工程では、紙繊維とポリアルに分離。使用されている紙繊維には古紙が含まれていないため、良質な再生原料として有効であり、主に家庭紙(トイレットペーパー等)へリサイクルされます。ただ、残ったポリアルは多くが廃棄物処理されているのが実態です。良質な再生原料を含むにも関わらず、使用済アルミ付紙パックのリサイクル率が低い一因にこのポリアルの存在があると考え、ポリアルのマテリアルリサイクルに着手しました。

  • 協力会社との役割分担

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    協力会社との役割分担

    プラスチックリサイクル商品の製造・販売を手掛ける㈱リプロ(岡山県岡山市)と、プラスチックを主原料とした合成樹脂繊維関連の商品及び産業機械の製造・販売を行う萩原工業㈱(岡山県倉敷市)と共同でマテリアルリサイクル実現を目指し、これまで廃棄物処理されていたポリアルを、原料化・製品化する新しいリサイクルフローを構築しました。当社がポリアルの原料化までを担い、ポリアル原料をリプロに納品。リプロにてポリアルマテリアルリサイクル製品の製造と販売を行っています。原料化・製品化において萩原工業が技術サポートをしています。

  • ポリアル製品の紹介

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    ポリアル製品の紹介

    国内初ポリアルマテリアルリサイクル製品の販売事例となった(当社調べ)ポリアル含有の境界杭(JISK6932規格適合)は、2021年4月から販売開始。複数の森林組合で採用されており、従来の境界杭の使用感と遜色ないと評価いただいています。その他ガーデニング用途の丸杭や板材にもポリアルを含有し、製品化を実現。廃棄物の再資源化により、CO2排出量の削減、循環型社会の形成に貢献します。

PakUpcycle
開発秘話

ポリアルの再生利用を進めていくその先に、アルミ付紙パックのリサイクル率拡大があるという信念を持って、ポリアルのマテリアルリサイクルを始めました。

とは言え、リサイクル素材には「低品質」「安価」等のイメージを持たれてしまうことがあります。PakUpcycleを拡大していくには、より多くの企業・団体の協力、一般消費者の方々からの理解が不可欠です。私たちは、PakUpcycleのコンセプトを皆さまに発信し賛同いただくこと、ポリアル用途開発の推進がゴールへの第一歩と考え、これからも活動の拡大を目指します。

製品をつくった人