ニュースリリース飲料用アルミ付紙パックを再生利用するビジネスモデルのスタートについて

日本製紙株式会社

日本製紙株式会社(本社:東京都千代田区、以下「当社」)、プラスチックリサイクル商品の製造・販売を行う株式会社リプロ(本社:岡山県岡山市、以下「リプロ」)、プラスチックを主原料とした合成樹脂繊維関連の商品及び産業機械の製造・販売を行う萩原工業株式会社(本社:岡山県倉敷市、以下「萩原工業」)の3社は、このたび共同で、廃棄処分となった飲料用アルミ付紙パック(※1)の再生利用(※2)を拡大することを目的としたビジネスモデル(以下「本ビジネスモデル」)をスタートしました。 

飲料用アルミ付紙パックは紙・ポリエチレン・アルミニウムで構成されており、回収後は「紙繊維」と「ポリエチレンとアルミニウムの混合物」(以下「ポリアル」)に分離されます。当社製造にかかる飲料用アルミ付紙パックは、現在、当社グループ内で原紙の生産から紙パックの加工までを行い、回収後に分離されたうちの「紙繊維」については、その特性(※3)を活かして、トイレットペーパー等の原料として再生利用されています。一方「ポリアル」については、これまで、再生利用における技術的な難しさから、RPF(※4)化や廃棄物処理(焼却)がされており、循環型社会を構築する上での課題のひとつでした。 

本ビジネスモデルでは、3社で開発した技術を活用して、一例として、「ポリアル」を原料とした土木建築資材(例:境界杭・擬木・板材・角材)を開発し、販売を開始しました。今後も、「ポリアル」を原料とした商品の開発、積極的なマーケティング等の活動「PakUpcycle」(※5)を展開してまいります。 

当社は、当社の掲げる「グリーンアクションプラン」の下、再生可能な資源を有効活用しさまざまな製品を提供していくとともに、使用後は再生利用を積極的に推進することで、CO₂排出量の削減、循環型社会の形成に貢献してまいります。 
 

■「ポリアル」を原料とした製品例

•「プラスチックリサイクル商品」

リプロの「プラスチックリサイクル商品」の一部の原料として使用し、販売を開始しました。

(商品の一例)

土木建築資材(例:境界杭・擬木・板材・角材)

生産数量:境界杭年間100万本相当の「ポリアル」製品化を目指す。(※6) 


販売開始時期:20214月  (使用イメージ) 

   

上記以外の商品分野への用途も、今後検討してまいります。 

•当社社有林に於ける「境界杭」(試作品)

原料の一部に「ポリアル」を配合した試作品を当社社有林で使用しました。 

   

まずは紙パックメーカー・飲料メーカーの生産工程で発生した損紙に含まれる「ポリアル」の一部(200mlの飲料用アルミ付紙パック年間約1億本分※7)を再生利用のターゲットとし、今後も「ポリアル」のさらなる用途開発を進めてまいります。 
 

■関連リンク

株式会社リプロホームページ(URL:https://www.ripro.co.jp/) 

萩原工業株式会社ホームページ(URL:https://www.hagihara.co.jp/



※1 飲料を常温で長期保存するため、バリア性に優れたアルミニウムを積層した飲料用紙パック。

※2使用済みの資源を新しい製品の原料として再利用すること。

※3飲料用紙パックは古紙が一切含まれていないバージンパルプから作られているため、回収後の紙繊維も良質な製紙原料として使用が可能。

※4主に原料としての再製品化が困難な古紙及び廃プラスチック類を主原料とし、化石燃料の代替としてボイラーの燃料に使用される。

※5 「Pak」(飲料用紙パック)+「Upcycle」(不用品や廃棄物を、商品としての価値を高めるような加工を行い再利用すること)の造語。これまで廃棄物処理されていた飲料用紙パックに新たな価値を与える取組み。商標出願済。

※6 200mlの飲料用アルミ付紙パック約1億本で45mm角の境界杭を生産した場合。様々な商品仕様があり配合率も変わるため、参考値とする。

※7 紙パックメーカー・飲料メーカーの生産工程で発生した損紙に含まれる「ポリアル」全体回収量の約10%に相当。境界杭を生産した場合、廃棄物処理(焼却)の場合と比較してCO₂排出量は637.5tから171.25tに(約70%)削減可能と試算。(「地球温暖化対策地域推進計画策定ガイドライン(第3版)」及び「日本プラスチック有効利用組合カーボンフットプリント(CFP)」算定式に基づく。) 


関連リンク

ポリアルリサイクルプロジェクトに関する参考資料

以上