日本製紙グループについて社長メッセージ

木とともに未来を拓く

当社グループは、企業グループ理念に「世界の人々の豊かな暮らしと文化の発展に貢献する」ことを謳い、その実現に向かって「木とともに未来を拓く」とのスローガンを合言葉に多彩な製品・サービスを展開しています。

森林はその成長過程で発揮する公益性にも価値がありますが、木材資源としては、再生可能な資源であり、さらには、さまざまな素材を生み出すことのできる多様性に特徴があります。当社が長年、持続可能な森林資源の調達を土台に、木材繊維を原料とする製紙事業を営んできていることは、すでにご承知のことと思います。また、製紙以外にも、牛乳パックをはじめとする飲料用紙容器など「紙」を生かしたパッケージ、高齢化社会のニーズに安心と信頼の品質で応えるヘルスケア製品、木材成分を有効活用し幅広い産業用途で使われるケミカル製品、さらには電力の安定供給に資するエネルギーまで、当社グループがこれまで展開している事業は実に多岐にわたります。

近年、バイオケミカル分野では、木材繊維をナノレベルまでほぐしたセルロースナノファイバー(CNF)が、日本のみならず世界の多くの産業に変革をもたらす可能性のある素材として注目を集めていますが、当社はCNFの技術開発に先駆し、用途開発を牽引するリーディングカンパニーとして、2017年に量産体制を整えました。当社グループが世界で初めて開発したCNF消臭・抗菌シートは、日本製紙クレシア株式会社のヘルスケア製品として実用化され、市場から高い評価をいただいています。今後は、機能性シートや添加剤をはじめ、自動車などで使われるCNF樹脂複合材など、広く産業分野での実用化を進めていきます。

また当社グループは、CNFにとどまらず、口栓付で意匠性を高めた新しい飲料用パッケージ、紙でありながら高いバリア性を付与した包材など、新しい時代を拓く可能性を感じさせる新素材をいくつも手掛けていることは、企業グループとして将来の成長につながってくると確信しています。


なお、当社グループは、2018年度から3ヵ年にわたって取り組む「第6次中期経営計画」をスタートさせました。情報媒体としての「紙」を取り巻く環境が厳しさを増していることから、当社は生産体制の再編成を断行することにより、新聞用紙や印刷用紙などの紙事業を徹底して強化します。一方で、これまで進めてきた事業構造の転換を加速し、パッケージ、家庭紙・ヘルスケア、ケミカル、エネルギーなど、多岐にわたる事業それぞれの拡大を図るとともに、新規事業の早期育成にも力を入れていきたいと考えています。

この地球上で、私たちが暮らす社会や、企業・団体が営む産業は、持続可能性を追求しなければ、もはや生き残っていくことはできません。「木とともに未来を拓く」とのスローガンは、当社グループがこれから先もずっと、再生可能な資源である木材を無駄なく活用し続け、世界で最重要な価値観である「持続可能性」に正面から向き合っていくとの決意を表したものです。当社グループは「木」をベースに、新たな価値創造をもたらす製品・サービスを提供し続けることにより、持続可能な社会の構築に貢献することを目指してまいります。


日本製紙株式会社
代表取締役社長
馬城 文雄