ニュースリリース世界初となる機能性セルロースナノファイバーの実用化商品が発売開始~当社グループの日本製紙クレシアが大人用紙おむつの新ブランド「肌ケア アクティ」シリーズに採用し、10月1日より発売開始~

日本製紙株式会社

日本製紙株式会社(社長:馬城 文雄)は、今春、TEMPO触媒酸化法(注1)により化学処理したパルプを原料とするセルロースナノファイバー(以下、「CNF」)を用いた高い消臭機能を持つシートの実用化に成功しました。このシートを当社グループの日本製紙クレシア株式会社(社長:南里 泰徳)が、大人用紙おむつの新ブランド「肌ケア アクティ」シリーズに採用し、機能性CNFの世界初となる実用化商品として、10月1日より全国で発売開始します。

当社グループは、TEMPO触媒酸化法により化学処理されることで、CNFの表面に金属イオンや金属ナノ粒子を高密度に付着させることが容易であるという特徴(注2)を生かし、抗菌・消臭効果のある金属イオンをCNFに大量に保有させたままシート化することに成功。これまでに無い、高い消臭機能を持つシートを実現しました。今回、日本製紙クレシアが発売開始する大人用紙おむつの新ブランド「肌ケア アクティ」シリーズに、この機能性CNFを用いた消臭シートが採用されました。便臭は、従来品に比べ3倍以上という高い消臭力を持った商品となっています。

当社グループは再生可能な森林資源を高度に利用する技術力により、人々の暮らしを支える分野へ事業領域の拡大を図っています。CNFはその中核となる新素材として位置づけており、2013年10月に岩国工場(山口県岩国市)にCNF実証生産設備(年産能力30トン/年)を設置し、大量のサンプル製造と用途開発に取り組んでいます。今後さらに技術開発に力を注ぎ、量産化技術の確立と幅広い産業分野へのさらなる用途開発を進めていきます。

  1. 注1東京大学大学院農学生命科学研究科 磯貝 明教授らが開発した、TEMPO触媒によるセルロースの化学変性方法。これにより、パルプが解繊しやすく均一な幅のナノファイバーを得られる。
  2. 注2九州大学大学院農学研究院環境農学部門 北岡 卓也教授らが開発した、TEMPO触媒酸化法により化学処理させたセルロース表面に金属ナノ粒子を生成させる方法。

以上