ニュースリリース木材チップ専用船で「掻き出しロボット」のトライアル実施遠隔操作で安全・持続的な荷役の実現目指す

日本郵船株式会社
日本製紙株式会社
知能技術株式会社
岩国産業運輸株式会社

日本郵船株式会社(以下、日本郵船)、日本製紙株式会社(以下、日本製紙)、知能技術株式会社(以下、知能技術)、岩国産業運輸株式会社(以下、岩国産業運輸)は4月5日、日本製紙岩国工場(山口県)で荷役中の木材チップ専用船の船倉内で木材チップを掻き出すロボット(以下、掻き出しロボット)の遠隔操作トライアル(以下、本トライアル)を実施しました。本トライアルは、船倉内の作業環境や労働安全性の向上に加え、働き手不足などの社会的課題の解決に向けた取り組みです。掻き出しロボットの開発により、さらに安全で持続的な荷役環境の実現に取り組み、将来的には荷役現場から離れた場所でのロボット操作により、男性・女性・高齢者・障がい者など多様な人が従事できる仕事の実現を目指します。


本トライアルでは、日本郵船と日本製紙の長期輸送契約に従事する木材チップ専用船で掻き出しロボットの試作機による作業を行いました。荷役中に船倉内で約2時間にわたって遠隔操作を行い、機能性や安全性の確認などのトライアルの目的を達成しました。

各社の役割

社名 役割

日本郵船

・木材チップ専用船の運航者

・ロボット開発の企画と統括

日本製紙

・木材チップ荷主

・掻き出し作業の機械化による船倉内の作業環境や労働安全性の向上による、社会的課題の解決を提起

知能技術

・掻き出し機能の基本設計、およびロボット開発

岩国産業運輸

・搔き出し作業実施者

・トライアルによるロボットの性能評価


掻き出し作業とは

木材チップ専用船では、船倉内に積載された木材チップをショベルカーで寄せ集め、クレーンにより荷揚げします。船倉の隅に溜まり壁に付着した木材チップを回収する際は、重機が届かない、あるいはそぎ落とす時に船倉壁を傷付けることがあるため、作業員がスコップやフォークのような道具を使用し掻き出し作業を行う必要があります。

掻き出し作業には高さ10mほどの船倉内を上り下りする、季節要因で船倉内が低温・高温になりやすい、木材チップが酸素を吸収するため酸欠のリスクがあるなど、現状の作業環境には改善の余地があります。また作業員の高齢化に伴う将来的な人員不足も懸念されます。


掻き出しロボットの特徴

掻き出しロボットは、リモコンでの遠隔操作で油圧ショベルカーのアームと、取り付けられたスクレーパー(へら)とブラシを動かして木材チップを掻き出します。高さ3メートルまでアームを伸ばして壁に付着したチップをはがしとることができ、船倉の隅に溜まった木材チップはアームの位置を下げ、ブラシで直接寄せ集めるか、押し出します。構造物の隙間など、狭い空間に挟まった木材チップを掻き出すことも可能です。


※日本郵船株式会社の公式YouTubeで動画を公開しています

 URL:https://www.youtube.com/watch?v=hzxgOmZExAM&feature=youtu.be

今後の目標
4社は2024年度中に初号機の完成と実荷役での使用を目指します。本取り組みを通して各社が描く将来的な目標は以下の通りです。


日本郵船: 海上輸送を超えたサプライチェーン全体での新規事業創出を推し進めるとともに、安全と効率化が両立する持続可能な社会の実現に取り組んでいきます。


日本製紙: 将来的に働き手の不足が想定される現場作業の環境改善や安全性の向上を目指すことは、単なる改善ではなく、持続可能な社会を実現するために必要な課題の解決と位置づけ、今後も取り組んでいきます。


知能技術: 労働力減少や厳しい作業環境に悩む各産業向けの遠隔操縦ロボットをニーズに合わせてオリジナルで提供しています。本プロジェクトでは、作業の機械化による荷役の安全性と効率化を実現していきます。


岩国産業運輸: 作業環境の改善に大きく寄与するものと捉え、安全且つ効率的な荷役スタイルを目指し取り組んでいきます。

各社概要・連絡先

<日本郵船株式会社>

本社 : 東京都千代田区

代表者: 代表取締役社長 曽我貴也

ウェブサイト : http://www.nyk.com/ 


<日本製紙株式会社>

本社 : 東京都千代田区

代表者: 代表取締役社長 野沢徹

ウェブサイト : https://www.nipponpapergroup.com/


<知能技術株式会社>

本社 : 大阪府大阪市

代表者:代表取締役 大津良司

ウェブサイト : https://www.chinou.co.jp/


<岩国産業運輸株式会社>

本社 : 山口県岩国市

代表者:代表取締役社長 村重 佳人

ウェブサイト : http://iwakunisangyounyu.jp/



以 上