【インダストリー編】日常を支える!自動車や素材の「軽量化」に貢献するセレンピア®

省エネやCO2排出削減のため、ものづくりの世界では「軽くて強い素材」が求められています。そこで注目されているのが、木から生まれたセルロースナノファイバー(CNF)「セレンピア®」です。
ここでは、工業向けにCNFがどのように役立っているのかをご紹介します。

工業分野で求められるCNFの特徴

CNFは、木を構成するセルロースをナノレベルまで細かくほぐしてつくられる超極細の繊維です。軽量であることが特徴で、弾性率は高強度繊維で知られるアラミド繊維に匹敵するほど高く、温度変化に伴う伸縮はガラス並みに良好など、優れた特性を発現します。
水の中では繊維同士が網目構造をつくり、力を加えると一時的にサラサラになり、静置すると再び粘度が高くなるチキソ性や、粒子を均一に保つ分散安定性といった特徴的なレオロジー挙動を示します。

モビリティ部品を変える「軽量化」への貢献

自動車に代表されるモビリティ部品を軽くすることは、燃費性能の向上やCO2排出削減に直結します。
CNFを樹脂やゴムに均一分散することで、強度等が樹脂やゴム単体に比べて向上することが期待できます。部品の強度が上がる分、部品を薄くしても性能を保てたり、重量の重い補強材と置き換えることで、全体の質量を減らすことができたりするため、軽量化に貢献しているのです。
今後は、家電筐体やタイヤなどへの応用が期待されています。

機能性添加剤としての利用

セレンピア®インダストリーは、塗料などの液体材料にも活かされています。チキソ性により塗布時には力が加わることで粘度が下がり「塗りやすく」、塗った後は粘度が戻り「垂れにくい」状態になります。
また、塗料中で顔料の沈降を抑え、分散性を高める効果もあります。乾燥後は塗膜の強度向上にも貢献し、さまざまな塗料やコーティング材での活用が進められています。

弾性率と燃費性能を両立

セレンピア®エラスは、CNFを、天然ゴム中に均一分散することで弾性率と燃費性能を両立させたゴムのマスターバッチです。
伸縮性や耐摩耗適性に優れ、かつ柔らかい特性を持つ天然ゴムは、タイヤやホース、ベルトなど、さまざまな製品に使われています。通常、ゴム製品を丈夫にするためには、カーボンブラックという化石燃料由来の素材を混ぜますが、最近では、木から作られるCNFのような、地球に優しい天然素材をゴムに混ぜる研究が活発に進められてきました。
セレンピア®エラスは、特別な溶剤を使わずに直接ゴムと混ぜ合わせることができ、扱いやすく、ゴム製品の性能を良くすることができます。従来のカーボンブラックを混ぜたゴムと比べ、セレンピア®エラスを使ったゴムは、動いたり変形したりするときに熱として失われるエネルギーが約20%少なくなります。そのため、タイヤやゴムベルトなどに使ったときに、燃費が良くなる効果が期待できます。

環境負荷低減とマテリアルリサイクルの実現

セレンピア®プラスは、CNFを強化材として使用した樹脂材料です。セルロースを原料に、樹脂と混練しながらCNF化することで、コストを抑えつつ高性能なCNF強化樹脂を実現。セルロースを補強材として使うことで、従来の強化樹脂材料に比べて強度と軽さを両立できます。
セレンピア®プラスはほかの樹脂素材と比べて、サステナブルな素材で、マテリアルリサイクル性が高いことが大きな特長です。一般的に補強材として使われるガラス繊維は、繰り返し使うのが難しいですが、「セレンピア®プラス」は、何度もリサイクルしても品質の変化が少ないため、繰り返し使うことができます。
また、バイオマスプラスチックと組み合わせることで、オールバイオマスの製品も実現できます。「セレンピア®プラス」は、高い性能と環境への配慮を両立できる魅力的な材料です。