【総括編】「木とともに未来を拓く」:製紙の歴史が育んだ総合バイオマス企業と再生可能な循環素材
食品・化粧品・工業材料まで、幅広い分野で活用されている木質セルロース由来の新素材「セレンピア®」。この素材は、単に技術革新だけで誕生したわけではありません。
150年以上にわたり「木」と向き合ってきた日本製紙グループの歴史と、「木とともに未来を拓く」という企業哲学が土台となって生まれたものです。
日本製紙がどのようにして総合バイオマス企業へと進化し、セレンピア®という再生可能な循環素材を通じて、持続可能な社会の実現に貢献しているのかをご紹介します。
「木とともに未来を拓く」日本製紙がめざすバイオマスの未来
日本製紙グループのルーツは、1873年に渋沢栄一によって創設された、日本初の近代的洋紙工場「抄紙会社」に遡ります。創業以来、木を原料とする製紙業を営む長い歴史の中で、木の価値を深く理解し、余すところなく使いきる技術を磨いてきました。
根底にあるのが、「木を植えて育て、余すことなく使う」という一貫した考え方です。この哲学が発展し、現在の日本製紙グループは、木の可能性を広げる総合バイオマス企業として歩み続けています。
木材の特性を最大限に引き出した多様な製品群、そしてセレンピア®のような最先端素材は、こうした長年の知見と姿勢が生み出した成果です。
持続可能な森林経営とは?16万haの森を守る取り組み
日本製紙はグループ事業の根幹となる森林資源を、持続可能な森林経営で循環させています。森林は二酸化炭素を吸収・固定して、成長します。木材を産出するだけでなく、山を守り、海を守り、そこに生息する生物も守ります。そして私たちには森林レジャーの場を提供しています。
認証を取得した森林、国内外約16万haを管理
日本製紙が管理する森林は国内外あわせて約16万haあります。これは東京23区の約2.5倍の広さにあたります。社有林はすべて国際的な森林認証を受けており、適切に管理されています。国内の社有林だけでも約9万haに及び、日本製紙は民間企業として国内第2位の森林所有者です。
さらに、この森林のうち約20%は、水源涵養などの環境機能を重視した「環境林分」として管理され、生態系保全にも積極的に取り組んでいます。
CO₂吸収量を増やす「エリートツリー」の量産化
日本製紙グループの経営基盤は森林資源です。健全で持続可能な森林を効率的に育てるため、力を入れているのがエリートツリーです。
エリートツリーとは、成長量や材質などの評価項目において優れていると選抜された精鋭樹を人工交配して生産されるスギやヒノキ、カラマツなどの苗木です。
- ・従来の約1.5倍以上の生長速度
- ・CO₂吸収量も1.5倍以上
- ・花粉量が半分以下
という特徴があります。初期成長が優れているため、下刈り期間を短縮でき、林業作業の軽減にも貢献しています。
日本製紙はこのエリートツリーの量産化に成功し、林野庁や自治体と協力しながら植林を進めています。将来のCO₂吸収源を増やす取り組みとして地球環境にとって大きな意味があります。
国内材の積極利用で林業も支える
日本製紙が製紙原料に使用する木材の国産材比率は約35%。これは他社平均の25%を大きく上回る水準です。国産材の利用を増やすことは、国内林業の活性化にもつながり、日本の森林資源を健全に循環させる取り組みの一端を担っています。
セレンピア®で私たちの暮らしを循環型に
セレンピア®は、「木のポテンシャルを引き出し、⾃然と調和した社会を創る」ことを、ブランドビジョンに掲げています。
木は二酸化炭素を吸収して成長します。そうやって育った木を適切に伐採し、得られた木質資源を積極的に使っていくことは、健全な森林経営に必要な条件です。建材や家具、紙パルプ製品などが、木材から生産・製造されていることは、よく知られています。ナノサイズの木質セルロースであるセレンピア®は、食品・化粧品、日用品から工業品までさまざまな製品に使うことできます。木の力を取り込んだ製品を積極的に使うことで、森と社会をつなぐ循環の輪が生まれるのです。
日本製紙グループが150年かけて磨き続けてきた木材活用の技術と、未来に続く森林づくりの挑戦は、これからの社会に欠かせない価値を提供し続けます。
