CNF研究所 セルロースナノファイバーの製造技術と用途開発

当社は、再生可能な資源である「木」の新たな可能性を拓くべく、パルプ化技術からナノ化(微細化)技術へと応用範囲を拡げ、セルロースナノファイバーの素材開発を進めています。2013年4月にCNF事業推進室(現CNF研究所)を研究開発本部に新設し、2013年10月には岩国工場の敷地内に年間生産能力30トン以上で化学処理によるセルロースナノファイバーを生産する本格的な設備としては国内初となる「実証生産設備」を設置しました。 2017年4月には石巻工場の敷地内に、年間生産能力500トンの量産設備が稼働しました。石巻工場のCNF量産設備は、TEMPO触媒酸化法(注1)により化学処理した木材パルプから繊維幅が3~4nmと均一に完全ナノ分散したCNFを生産することができる設備です。TEMPO酸化CNFは、透明で、様々な機能付与が可能であることが特徴です。
さらに、当社は本年、石巻工場に続いて、6月には富士工場(静岡県富士市)でCNF強化樹脂(注2)の実証生産設備を、9月には江津工場(島根県江津市)で食品や化粧品向け添加剤用途のCM化CNF(注3)の量産設備を稼働します。「木とともに未来を拓く総合バイオマス企業」として、用途に応じたCNFの製造技術と本格的な供給体制を早期に確立し、新素材・CNFの市場創出を進めてまいります。

石巻工場のCNF量産設備1
石巻工場のCNF量産設備2

石巻工場のCNF量産設備

(注1)東京大学大学院農学生命科学研究科 磯貝 明教授らが開発した、TEMPO触媒によるセルロースの化学変性方法。これにより、パルプが解繊しやすく均一な幅のナノファイバーを得られる。

(注2)ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)、ナイロンなどの樹脂にCNFを混練することにより強度を付加したもの。

(注3)食品添加物として既に販売されているカルボキシメチルセルロース(CMC)の製造技術を用いて化学変性した木材パルプから得られた、繊維幅が数nm~数十nmのミクロフィブリルセルロース。

セルロースナノファイバーとは

セルロースナノファイバーは木材から得られる木材繊維(パルプ)を1ミクロンの数百分の一以下のナノオーダーにまで高度にナノ化(微細化)した世界最先端のバイオマス素材です。セルロースナノファイバーは植物繊維由来であることから、生産・廃棄に関する環境負荷が小さく、軽量であることが特徴で、弾性率は高強度繊維で知られるアラミド繊維並に高く、温度変化に伴う伸縮はガラス並みに良好、酸素などのガスバリア性が高いなど、優れた特性を発現します。

樹木とセルロースナノファイバーの関係

樹木はセルロース分子の集合体であるセルロースナノファイバーからなる木材繊維で構成されています。

セルロースナノファイバーの特長と用途

セルロースナノファイバーは、その形状や特徴的な物性により、フィルター部材、高ガスバリア包装部材、エレクトロニクスデバイス、食品、医薬、化粧品、ヘルスケアなど様々な分野において利用が期待されています。 当社は、2015年に世界で初めてTEMPO酸化CNFに抗菌・消臭機能を付与してシート化し、当社グループの日本製紙クレシア株式会社(社長:南里 泰徳)の大人用紙おむつ「肌ケアアクティ®」シリーズに実用化しました。現在では、同社の軽失禁用ケア商品「ポイズ®」シリーズにも抗菌・消臭機能を付与したCNFのシートを使っています。

肌ケアアクティとポイズ

TEMPO酸化CNFを抗菌・消臭シートとして実用化した日本製紙クレシアの製品
(左:「肌ケア アクティ®」シリーズ、右:「ポイズ®」シリーズ)

特長

  1. 1. 軽くて強い
  2. 2. 超極細の繊維(繊維幅約3nm)
  3. 3. 比表面積が大きい
  4. 4. 熱による寸法変化が小さい
  1. 5. ガスバリア性が高い
  2. 6. 水中で特徴的な粘性を示す
  3. 7. 環境にやさしいバイオマス素材
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