パイロット/印刷設備
長年にわたり培ってきた製紙技術と塗工・加工技術を組み合わせ、印刷用紙に求められる高い品質と印刷適性を追求しています。実機さながらのプラント設備や印刷機を備え、迅速かつ確実な製品開発を進めています。これまで、本社・工場と連携し、オフセットインキの乾燥性に優れる速乾A2マットや紙に抗ウイルス性を付与した抗ウイルス上質紙など、市場ニーズに即した製品を時勢に合わせ開発してきました。
塗工紙の構造とその最適化
印刷用紙は、主にパルプと填料からなる非塗工紙と、原紙(非塗工紙)の表面に顔料を主成分とする塗料を塗工した塗工紙に大別されます。また、紙の品質は、原紙のパルプ・填料はもちろんですが、顔料により形成される塗工層の構造の違いによっても塗工紙としての品質 ( 白色度、光沢度、平滑度、インキ受理性など ) が大きく左右されるため、塗工紙は非塗工紙以上に製品設計が複雑といえます。当社では、原紙層や塗工層に使用する材料を最大限に適正化することで、より高品質な塗工紙を生産しています。

塗工紙製造技術

一般的な塗工紙は、顔料と接着剤からなる塗料を原紙に吹き付けた後、ブレード等によって過剰に塗布された塗料を掻き取ることで、原紙上に均一な塗工層が形成されます。また、要求される品質に応じてカレンダー処理という工程を経ることで、光沢感がある塗工紙が得られます。その他にもカーテンコーターなど様々な塗工方法が実施可能なパイロットコーターを使って、その利用技術の確立に取り組んでいます。
高品質かつ環境に優しい新聞用紙
新聞用紙のカラー面の増加、印刷スピードの上昇などに合わせて、当社独自の技術を開発し、新聞用紙の高機能化を進めています。カラー印刷をきれいに仕上げるためには、印刷インキの裏抜けを抑制することや、印刷時に紙粉が発生しないことが重要となります。当社の新聞用紙生産工場では、新聞用紙に適した高機能な炭酸カルシウム填料を自製しており、それを紙に配合することで裏抜けの抑制や印刷時の紙粉の抑制を実施、また、独自に開発した表面処理剤を活用し、印刷スピードの上昇に対応しております。今後もさらに高品質かつ環境に優しい新聞用紙をめざして技術開発を進めていきます。
高品質新聞の裏抜け
高機能な填料の開発およびその高度利用技術の開発 当社では多くの工場で炭酸カルシウムを生産し、紙の填料(充填剤)として利用しています。国内で豊富に採取できる石灰石由来の原料に、工場から排出されるCO2 ガスを固定化させる炭酸カルシウム製造工程は、温暖化ガスの排出抑制につながる環境に優しいシステムです。その製造工程において、炭酸化工程の反応条件を調整することで様々な形態に制御することが可能です。当社では様々な紙の用途に適するように炭酸カルシウムの形態を制御し、さらに独自に開発した炭酸カルシウムの高度利用化技術を活用することにより、紙の白色度や不透明度、嵩、または新聞用紙の中性化などといった、用途に応じた紙の高品質化を実現しました。
印刷評価設備
ユーザーである印刷工場に近い立場から印刷評価が行えるよう万全な体制を整えています。
印刷工場と同じ条件で
印刷作業性や品質に対する要求を正確に把握するため、様々な実機印刷機や評価設備を導入し、多様な印刷評価を行っています。商業印刷や出版印刷においては4 色枚葉オフセット印刷機などを用いて、印刷工場に近い条件で用紙の品質評価や印刷トラブルの再現テストを行っています。また、製版装置を用いて目的にあった最適な印刷図柄による評価も実施しています。
日本製紙グループ全体の需要に対応するために
新聞用紙や印刷用紙の印刷評価に限らず、日本製紙グループで生産している様々な紙製品の印刷対応に注力しています。ダンボールや板紙、紙製の液体容器に用いられるフレキソ(ゴム凸版)印刷試験機なども所有しており、多様な印刷方式の評価に対応できる体制を整えています。
テストプラント設備
テストプラント
テストプラントは、塗工、仕上げ工程のテスト設備を有しています。以下はその代表的な設備です。
高速塗工機テストコーター
一般的なブレード塗工ヘッドに加え、カーテンヘッド、転写型のゲートロール塗工などが可能で、主に日本製紙グループが生産している各種塗工紙の塗工適性の確認や新商品開発を目的とした塗工テストを行っています。
ホットソフトニップカレンダ
金属製のヒートロールと樹脂製の弾性ロールの間に紙を通すことで、紙の密度をあまり上げずに平滑性を上げることができます。

