基盤技術研究所(技術紹介)
養牛用飼料
元気森森®
にんじん森森®


牧草の主成分であるセンイは牛の主要栄養源です。
木からセンイ(高純度のセルロース)を取り出すことで、
より効率的に養牛のエネルギー源となる養牛用飼料(A飼料)を開発しました。

- 元気森森®は、紙製品の副産物ではありません。製紙技術を応用して製造しています。
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脱リグニン処理により発生するリグニンを含む廃液は、バイオマスエネルギーとして
余すことなく活用しています。
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開発の経緯
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2015年より農研機構他と共同で、元気森森®の有効性に関する
実証試験を実施しました。
<農研機構での成果情報>
①ルーメンpHの低下の抑制
②放牧子牛の発育向上
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2019年から畜産・酪農現場のご協力をいただき、牧場での実地試験を開始。
2023年4月現在、40ヶ所超の牧場・TMRセンター等で給与試験を実施しております。ご採用事例も増えてきております。
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2021年には岩沼工場(宮城県)に製造設備を常設化し、供給体制を整備しました。
元気森森®は、 飼料の公定規格 では「木材クラフトパルプ」として
掲載されております。
飼料成分表

- 成分中のセンイ(セルロース)比率が高い
- 乾物中のTDNが 95.6 % とトウモロコシ(子実)より高い
- 粗繊維の消化率が 97 % と高い
- 成分中のカリウムが少ない

期待できる効果
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給与方法

┃ 形状
・ロールベールに包装した綿状の「元気森森®」 をお届けいたします。
・1ロール当たりの重量は420kg、水分63%程度です。
・ハンドリングにクランプリフトが必要となります。
┃ 使用例:置き換えまたは上乗せでご使用ください。

※目的とする効果や、現行の飼料設計により給与量は変化いたします。




天然の人参にはβ-カロテンを始めとする豊富な栄養素が含まれております。
日本製紙株式会社と有限会社十勝ライブストックマネージメントでは、人参の持つβ-カロテンの力に着目しました。
そのままでは飼料として保管や給与が難しく廃棄していた液体の人参ジュースを、濃縮して元気森森®に吸収させることで、効率的にセンイとβ-カロテンを摂取することができる「にんじん森森®」を開発しました。

飼料成分
【成分表】

数値は開発中の代表値であり、
成分を保証するものではありません |

- 繁殖成績の改善が必要な牛や、受精卵移植や採卵する牛に
- 乳牛、肉牛問わず、分娩前後のエネルギーやビタミンが不足しやすい時期に
- 暑熱時の健康維持に

採卵前・受精卵移植前に給与
- 原物1kg/頭/日を給与(3週~1ヶ月前から)
- 原物0.5~1kg/頭/日を給与(分娩前1ヶ月から分娩後2ヶ月程度まで)
- 原物200g~500g/頭/日

- 発酵人参の香りと味で、慣れれば食い付くようになります。

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水分80%ありますが
新聞紙の上に置いた後も ほとんど濡れていません |
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なぜ繁殖に良いのか

乾牧草やサイレージでは生草と比べてβ-カロテン含有量が減ってしまいます。
特に粗飼料が乾牧草主体の場合は、β-カロテンが不足しやすくなります。
※にんじん森森は分析値
その他は日本標準飼料成 分表(2009年版)より |
【草種による全カロテン含有量】
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β-カロテンは牛の体内でビタミンAに変換されます。
分娩前の母牛は初乳へのビタミンAの移行があるため、分娩後に血中のビタミンAやβ-カロテンの濃度が低下しやすくなります。また血中のビタミンAが不足すると食欲不振、体調不良、発情不良などが起こり、特に分娩時には、流産や死産がみられ、出生した子牛も虚弱であることが多くなります。
またβ-カロテンにも、免疫機能向上、抗酸化作用、粘膜保護作用などがあることが知られております。

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I県 試験場
給与期間:2019年 分娩2週間前~分娩1週間後 対象: 乳牛周産期 給与区4頭、対照区4頭 給与量:にんじん森森 乾物0.25kg/日・頭を上乗せ |
乾物給与量
TMR:圧ペンコーン40%、ヘイキューブ20%、イタリアンGS7%、配合飼料33% ![]() |
【血中β-カロテン濃度の変化】

【空胎日数】


※データは代表例であり、保証値ではありません
- 酪農家や繁殖和牛農家で給与試験を実施しています。
- 空胎日数短縮や採卵数の増加など、繁殖成績の改善を実感いただいております。
- 液だれがしにくく給与作業もしやすい等、使いやすいと好評をいただいております。
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繁殖和牛農家 Aさん
給与期間:2022/11~2023/3 給与区:繁殖和牛20頭 給与量:原物1kg/日を上乗せ給与 |
![]() 【同一牛による採卵の採取数】 |
【牧場主からの声】
給与してから、発情兆候が強く見られるようになった。 発情の始まりと終わりがはっきり分かるようになった。 採卵数の増加と品質の向上、歩留りが向上した。 寒い冬のストレス対策につながった。 |
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繁殖和牛農家 Bさん
給与期間:採卵2週前から採卵まで 給与区:採卵用和牛5頭 給与量:原物1kg/日を上乗せ給与 |
![]() 【同一牛による採卵の採取数】 |
【牧場主からの声】
採卵を行った5頭で、平均10個ほど品質良い受精卵が取れている。 未給与時と同一の牛で比べた場合、良質な採卵数が2個から9個に増えた。 |
┃ 酪農家 Cさん
給与期間:2022/12~
給与区:搾乳牛 68頭
給与量:週2回300g/頭をTMRに混ぜて給与
【牧場主からの声】
搾乳牛全頭に1袋分を週2回給与したところ、他の牛に寄り掛かる、粘液が出る、鳴くといった発情兆候が強く分かりやすくなった。 ビタミンAの薬剤を添加したこともあるが、その時よりも反応が良い。 |
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繁殖和牛の預託牧場 Dさん
繁殖成績の悪い和牛を預託し自然交配させる 給与期間:2020年後半 給与区:2020年後半に預託した牛 対照区:2019年~2020年に預託した牛 給与量:原物2kg/日を上乗せ給与 |
![]() 【預託終了時に受胎していた牛の割合】 |
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