人権と雇用・労働に関わる責任多様な人材が活躍できる職場づくり

基本的人権と個性の尊重を基本に、新卒採用を継続するとともに女性や障がい者、高齢者の積極的な活用に取り組んでいます。

基本的な考え方

多様な人材が能力を発揮する活力ある組織を目指します

個性の異なる従業員同士が刺激し合い知見を深め合うことは、職場の活力向上にもつながります。少子化にともない労働人口の減少が予想されるなか、多様な人材を活かすことは企業の持続的発展にとっても重要です。また、2015年に明文化した企業グループ理念では、「Challenge、Fairness、Teamwork」を重視する価値とし、活力ある組織を目指しています。

雇用、採用の状況

差別のない新規採用の継続に努めています

日本製紙グループは、国内外で1万1千人を超える従業員を雇用しており、企業活動の基盤となる地域社会への責任として、雇用の安定および新規採用の継続に努めています。
また、「人権と雇用・労働に関する理念と基本方針」に基づき、差別のない雇用・採用に努めています。選考過程では、試験や面接などを判断材料とし、国籍・出身地・性別・学校名などによる選別は行っていません。

障がい者雇用の拡充

障がい者雇用率の推移
障がい者雇用率の推移

法定雇用率が2013年4月に2.0%へ引き上げられました。引き続きグループ全体で雇用率改善に努めています。

高齢者雇用の促進

日本製紙グループでは、高齢社会への対応と技能伝承を目的に、従来から高齢者雇用制度を設けています。
日本製紙(株)では、最長65歳までの再雇用制度を2002年度から運用しています。2013年4月に施行された改正高年齢者雇用安定法に対応し、定年を迎えた従業員が、意欲と能力に応じて少なくとも年金受給開始年齢までは働き続けられるよう、再雇用規定の整備を図っています。

事例

大学生向けインターンシップを実施

近年、産学連携による人材育成の観点から、学生への就業体験機会の提供として、インターンシップ制度を導入する企業が増えてきています。
日本製紙(株)も、社会貢献活動の一環として2015年から大学生向けのインターンシップを実施しています。特に理工系分野を専攻する学生に対して、製紙業の仕事内容などの理解を深めることを目指しています。
参加者をウェブ上で公募し、期間中は研究所や工場で仕事内容に即した課題に取り組んでもらうとともに、社内の設備見学や従業員との交流の時間も設けています。これらを通じて、大学での専門分野をどのように会社で活かしていけるのかなど、仕事に対する理解を深めてもらっています。

女性の活躍・活用

女性が活躍できる環境を整備しています

組織の活性化や少子化社会での人材確保の観点からも、女性の活躍・活用というテーマの重要性が増しています。日本製紙(株)では、2015年度に人材企画室を設置して環境整備に取り組んでいます。

「 女性活躍推進法」への対応

日本製紙(株)では、「女性活躍推進法」に基づいた行動計画を2016年4月に策定し、女性が活躍できる環境整備とその実現に取り組んでいます。

「女性活躍推進法」に対応した行動計画
(日本製紙(株)2016年4月策定)
  1. 1.女性総合職の新卒採用比率を25%以上とする。
  2. 2.8事業年度から12事業年度前に採用された女性総合職の平均継続雇用比率を男性の0.8以上とする。
  3. 3.生産拠点において女性の職域を拡大するため、各職場に女性を配置する場合の課題を洗い出すとともに、課題に対する対応策を検討し、女性を配置する職場の具体的計画を策定する。
  • 2004年度入社から2008年度入社

女性管理職数、採用数

女性管理職比率の推移(国内連結子会社)
女性管理職比率の推移(国内連結子会社)

2013年度から、過去に遡って参与・参事・理事・嘱託・受入出向者を除く正規従業員に占める比率に統一しました

  • 日本製紙グループ(国内)は国内の連結子会社の集計値

管理職に占める女性の比率は下図の通り低い状況です。日本製紙(株)では操業現場での勤務も多く、女性採用数そのものが少なかったことが大きな理由です。現在では、女性の配属職場の拡大に取り組み、2020年度までに女性管理職数を倍増させることを目指しています。

女性管理職比率(海外連結子会社)(2015年12月末現在)

20.4%( 課長・部長など、課以上の組織単位の長を対象)

フォロー体制

女性総合職ネットワーク体制
女性総合職ネットワーク体制

職場の枠を越えた女性総合職間の全社的なネットワークをつくり、リーダーとなる先輩社員が人材企画室と連携して、後輩社員の悩みやキャリア形成などをフォローする体制を構築しました。さらに女性総合職と直属の上司がキャリア形成の課題を共有するためのキャリア研修を実施しています。

カムバックエントリー制度

従業員、特に女性のなかには、育児や介護、配偶者の転勤など家庭の事情によってやむを得ず退職する人もあります。日本製紙(株)では、こうした方々を再雇用する制度を設け、2007年10月から運用を開始しています。

ワークライフバランスの推進

仕事と家庭の両立を支援しています

日本製紙グループでは、従業員一人ひとりが能力を十分に発揮できるよう、仕事と家庭を両立できる働きやすい環境づくりを進めています。
例えば、日本製紙(株)では、本社・研究所・営業支社・工場事務部門などでフレックスタイム制を導入しています。

「次世代育成支援対策推進法」への対応

日本製紙グループでは「次世代育成支援対策推進法」に基づいた行動計画を2016年4月に改訂し、従業員の仕事と育児の両立を支援しています。
例えば日本製紙(株)では、所定外労働の免除期間や育児時間取得の適用期間、子を養育するために使用できる保存休暇適用期間の延長など、育児・介護休業法が求める措置を上回る制度を運用しています。これらの活動により、厚生労働大臣から子育てサポート企業として認定を受け「くるみん」を取得しています。

「次世代育成支援対策推進法」に対応した行動計画
(日本製紙(株):2016年4月改訂)
  1. 1.「ゆとりある職場づくり」を推進し、年間総労働時間の削減を図る。
  2. 2.男性の育児参加を推進するため、育児に関連する制度の見直しを実施する。

次世代認定マーク「くるみん」を取得

普及用国産材マーク

日本製紙(株)は、2016年6月3日付で、厚生労働省東京労働局より次世代育成支援対策推進法に基づく「子育てサポート企業」に認定され、次世代認定マーク「くるみん」を取得しました。
仕事と育児を両立できる働きやすい環境づくりを進める企業として、全従業員がその能力を十分に発揮できる職場づくりに一層取り組んでいきます。

人材育成の取り組み

従業員が能力を向上・発揮できるよう支援をしています

人材育成については、従業員に公平な学習機会を提供した上で、意欲と能力のある人が一層スキルアップできる仕組みを、次の5つに重点を置いて整備しています。

人材育成における5つの重点
  1. (1)自己啓発と自律的な能力開発の支援
  2. (2)適材適所の人員配置
  3. (3)グローバル人材の育成
  4. (4)現場力の強化
  5. (5)キャリア設計・生涯生活設計の支援

(1)自己啓発と自律的な能力開発の支援

社内研修

社内研修

日本製紙グループでは、通信教育・集合研修・資格取得奨励制度などを通じて、従業員の自律的な能力開発を支援しています。新入社員研修や新任管理職研修などの階層別教育もグループで共催するなど、グループ横断的な人材育成に取り組んでいます。工場における階層別教育も近隣工場と共催するなど、それぞれの事業所にとどまることなく広い視野を持った人材育成に取り組んでいます。
また、一人ひとりが自ら必要なスキルを選んで学べる能動的な学習機会として、約150講座の通信教育や、選択型集合研修もグループに展開し共催しています。各人が自主的に受講できることに加え、集合研修ではグループ他社の従業員と刺激を与え合う貴重な場となっています。

従業員一人当たりの研修時間(国内連結会社)

6.9時間/年

(2)適材適所の人員配置

日本製紙(株)では、従業員への「業務・人事希望調査」を定期的に実施。調査結果に基づいて一人ひとりの志向を考慮しながら、適性と職種とのマッチングを図っています。
このほか、日本製紙グループ各社からの社内求人に対して各人が自己のスキル、今後のキャリアを考え自ら応募する仕組みとして「人材公募制度」を導入しています。

(3)グローバル人材の育成

今後の海外展開を見据えてグローバルな視野を持った人材を育成していくために、日本製紙(株)などで公募制の海外留学制度を整備しています。海外の大学への留学生派遣制度と、当社グループに関連する海外事業所への派遣制度を運用しています。また、日本製紙(株)では、グローバル人材の効率的な育成を目的として、海外駐在・留学経験者や高い語学力を持つ者で構成されるグローバル人材バンクを設けています。現在は約500人が登録されています。

事例

グローバルに小集団活動を展開

第23回全社発表大会の最優秀チーム

第23回全社発表大会の最優秀チーム

日本製紙グループでは、国内外で小集団活動を実施しています。この活動では数人でグループをつくり、業務改善や品質改善、費用削減などに取り組みます。経営陣を含む約270人が参加した2015年の第23回全社発表大会では、国内8工場、海外1工場の代表チームが発表を行いました。各職場の業務への理解を深めるとともに、他の職場や海外の良い事例を共有する機会となっています。

(4)現場力の強化

ものづくりの原点は現場にあります。特に製造業では、現場を中心として長年にわたって培われてきた技術・技能を確実に伝承し、人の力を維持・強化していく必要があります。
日本製紙(株)では、2006年度から推進組織を設けて「現場力」の強化に全工場で取り組んでいます。各現場で伝承すべき技術・技能を網羅し、各人の強みや習得・強化すべき点を分析して重点的に教育するという仕組みを整え、運用しています。

(5)キャリア設計・生涯生活設計の支援

公的年金支給開始年齢の引き上げやライフスタイルの多様化など、近年、従業員がキャリア設計や生涯生活設計をする上で考慮すべき要素が増えています。こうしたなかで、日本製紙グループの主要会社では、会社の諸制度や公的制度、生き甲斐探索、健康管理などについて理解を促す「ライフプラン研修」を実施しています。

公正な評価・処遇

能力や成果に応じて従業員を公正に評価しています

日本製紙(株)では、公正かつ透明な人事考課の一環として、評価基準を明示するほか、一般従業員全員を対象に、評価内容について上司が本人にフィードバックする面談を実施しています。面談によって人事考課への納得性を高めるとともに、各人の能力開発の指針としています。また、管理職への登用・昇格審査などにおいては、社外専門会社によるアセスメント(評価)を導入し、評価の客観性を高めています。

労使関係

労使間の合意に基づいて労働環境の改善に取り組んでいます

日本製紙グループでは、健全な労使関係の維持・強化に努めており、日本製紙(株)および大半の連結子会社において労働組合が結成されています。また、労働組合のない会社でも円満な労使関係が保たれています。
例えば、日本製紙(株)では、「より良い会社にする」という労使共通の目標のもと、「協約運営専門委員会」「要員対策専門委員会」などの各種労使専門委員会を設置し、お互いの立場を尊重した真摯な協議を重ねています。そして、労使間の合意に基づいて各種施策や労働環境改善に取り組んでいます。また、定期的に開催する「中央労使協議会」では、経営に関することから労働条件まで多様な事項について労使幹部で協議しています。
なお、日本製紙(株)の労働組合員数は4,854人(2016年3月末時点)です。ユニオンショップ制を採用しており、団体交渉による協定の対象となる従業員は100%労働組合に加入しています。

労働条件に関する協議について

制度改定や要員合理化など労働条件を変更する際は、事前に労使で協議し、議論を尽くした後に実施しています。会社が従業員に対して一方的に変更を強いることはありません。
会社の施策について従業員の理解を得るには、日常的なコミュニケーションも大切です。日本製紙グループでは、決算状況の説明をはじめとして、日頃から労働組合や従業員への情報提供を行い、話し合いの機会を設けるよう努めています。