基盤技術研究所(技術紹介)
バイオコンポジット:
木質バイオマスを高配合した新しい樹脂複合材料を開発
~減プラスチックと温室効果ガス排出量削減~
(1)トレファイドバイオコンポジット
木粉やパルプといった木質バイオマスと樹脂との複合材料において、従来の製品は耐熱性や成形性に課題がありました。今回開発したトレファイドバイオコンポジットは、当社が培ってきた新規バイオマス固形燃料のトレファクション技術(注1)を活用し、木質バイオマスに耐熱性、粉砕性、疎水性を付与することに特徴があります。このサステナブルな木質バイオマス材料を、日本製鋼所製の二軸押出機(TEXシリーズ)の混練技術を用いて樹脂に高配合することで、従来よりも耐熱性や成形性に優れた新しいトレファイドバイオコンポジットを生み出しました。
今後は、建材、家電製品、園芸など、様々な分野での用途開発により、トレファイドバイオコンポジットの商品化を進めてまいります。
注1 トレファクション
樹脂の融点よりも高温の250~300℃で木質バイオマスを低温炭化させる技術です。低温炭化により木質バイオマスの耐熱性が向上し、樹脂との混練や成形の際にバイオマスから発生する熱分解ガスを抑制することができます。また、粉砕性に優れているため微粉化が容易となり、トレファイドバイオコンポジットの流動性が向上するため、複雑な加工が可能になります。加えて、疎水性が付与されることで樹脂中のバイオマスが良好に分散し、トレファイドバイオコンポジットが高強度になります。
https://www.nipponpapergroup.com/news/year/2013/news130403000773.html
https://www.nipponpapergroup.com/news/year/2016/news160427003372.html
![]() 図1 射出成形品とトレファイド |
![]() 図2 胡蝶蘭の鉢 |
![]() 図3 山林苗ポット |
(2)セルロースバイオコンポジット
セルロースパウダーと樹脂を複合化したセルロースバイオコンポジットも開発しました。当社が培ってきたセルロースパウダー技術(注2)を活用し、従来の製品よりも強度や成形性に優れています。
注2 セルロースパウダー
高度に精製した天然木材セルロースを独自の方法で微細化した粉末です。食品、健康食品、化粧品から、濾過助材、樹脂充填材など幅広い分野で利用されています。緩やかな生分解性も有する、環境に配慮した素材です。
https://www.nipponpapergroup.com/products/chemical/functional_cellulose/kcflock.html
![]() 図4 射出成形品とセルロースバイオコンポジットペレット |
(3)サンプル提供
バイオコンポジットペレットのサンプルを提供しています。
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