ニュースリリースセルロースナノファイバー実証生産設備の新設を決定~補強材、増粘剤、ガスバリア材などを中心に用途開発を本格化~

日本製紙株式会社

日本製紙株式会社(社長:芳賀 義雄)は、パルプを原料とする「セルロースナノファイバー事業」を推進するため、ケミカル事業本部岩国事業所(山口県岩国市)において、セルロースナノファイバーの実証生産設備を設置することを決定いたしました。

セルロースナノファイバーは、植物繊維(パルプ)を1ミクロンの数百分の一以下のナノオーダーにまで細かく解繊したもので、弾性率は高強度繊維で知られるアラミド繊維並に高く、温度変化に伴う伸縮はガラス並みに良好、酸素などのガスバリア性が高いなど、優れた特性を発現します。また、植物繊維由来であることから、生産・廃棄に関する環境負荷が小さく、軽量であることが特徴です。補強材、増粘剤、ガスバリア材などのさまざまな用途展開が期待できます。

今回、当社が新設を決定したセルロースナノファイバーの実証生産設備は、生産能力年間30トン以上、2013年10月から生産を開始する予定です。この設備はパルプを化学的に前処理して解繊しやすくすることを特徴としており、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「ナノテク・先端部材実用化研究開発プロジェクト」で基礎的な開発を行ってきました。化学処理によるセルロースナノファイバーを生産する本格的な設備としては日本国内で初めて設置されるものであり、本事業計画は、経済産業省のイノベーション拠点立地推進事業『先端技術実証・評価設備整備費等補助金』の対象として採択されています。

本設備の設置により、セルロースナノファイバーの事業化に向けて本格的なサンプル供給が可能となり、用途開発をスピードアップすることができます。当社グループは、「総合バイオマス企業」として、再生可能な資源である森林資源を総合利用する技術をさらに高め、事業領域の拡大を図っていきます。

以上