ニュースリリース高機能茶「サンルージュ」の抗メタボリックシンドローム効果を動物試験で確認α‐グルコシダーゼ活性の阻害効果は「やぶきた」の2.4倍                ~主要緑茶51品種の中で最も優れた効果~

日本製紙株式会社

日本製紙株式会社(社長:馬城 文雄)は、九州大学(立花 宏文教授)との共同研究により、高機能茶「サンルージュ」の抗メタボリックシンドローム効果について評価を実施し、「やぶきた」をはじめとする主要緑茶51品種の中で、デンプンなどの多糖類をブドウ糖へ分解する消化酵素"α-グルコシダーゼ"の働きを阻害する効果が最も優れることを見出しました。さらに、マウスを用いた試験では、サンルージュの「食後血糖値の上昇抑制効果」や、「高血糖の指標となるHOMA-IR(インスリン抵抗性)の悪化抑制効果」を確認しました。これらの試験結果の詳細は、3月28日に「日本農芸化学会2015年度大会」(注1)で発表する予定です。

メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)とは、内臓脂肪型肥満に加えて、高血圧、高血糖、脂質異常のうちいずれか2つ以上を併せ持った状態をいい、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病などの生活習慣病の引き金となることが知られています。近年では、中高年の成人だけではなく、子どものメタボリックシンドロームも増加するなど、国民の健康維持の観点から社会問題となっています。

一方、緑茶成分の摂取は、脂質代謝改善や肥満防止など、いわゆる抗メタボリックシンドロームに効果があることが明らかになってきており、世界的にも注目されています。
そこで当社は、高機能茶「サンルージュ」について九州大学と共同研究を実施し、メタボリックシンドロームの抑制効果を検証しました。その結果、「サンルージュ」は主要緑茶51品種の中で、「デンプンなどの多糖類をブドウ糖へ分解する酵素であるα-グルコシダーゼの阻害効果」が最も高く、「やぶきた」の2.4倍、最も低い「さきみどり」と比較した場合は18.4倍の効果を示しました(グラフ1)。
また、マウスを用いた試験で「サンルージュ」は、「やぶきた」と比較すると、糖負荷後の血糖値の上昇を最大で18%抑制し(グラフ2)、さらに、「高血糖の指標となるHOMA-IR(インスリン抵抗性)の悪化(グラフ3)」と「体脂肪の蓄積(グラフ4)」を優位に抑制することが確認できました。

「サンルージュ」は、光独立栄養培養による当社の独自技術「容器内挿し木技術」を用いて、農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所と共同で育成した、植物由来機能性成分「アントシアニン」を多く含む、新しい茶品種です。緑茶に含まれるカテキン成分とアントシアニンの相乗効果による抗疲労・ストレス作用の効能が得られ、眼精疲労改善効果を有する高機能茶として、新しい需要創出が期待されています。

今回確認された「サンルージュ」のメタボリックシンドロームの効果的な予防・改善につながる機能性について、当社は、九州大学と共同で、さらにヒトでの効果確認に取り組んでまいります。併せて、「サンルージュ」の新たな機能性を探索するとともに、当社が展開するアグリ事業において、「サンルージュ」の機能性を生かした市場開拓についても積極的に取り組んでまいります。

  1. 注1日本農芸化学会2015年度大会
    http://www.jsbba.or.jp/2015/
    会期:2015年3月26日(木)~29日(日)
    会場:ホテルグランヴィア岡山、岡山大学津島キャンパス

以上