ニュースリリース成長促進や免疫機能を安定化させる家畜用サプリメント「トルラプラス®」の生産拡大による本格販売開始について~島根県産の家畜用サプリメントを全国で使用していただけます~
日本製紙株式会社
日本製紙株式会社(代表取締役社長:野沢徹、本社:東京都千代田区、以下「当社」)が生産・販売している、核酸(RNA)と酵母細胞壁(β-グルカン)の効果を合わせ持った、家畜動物の成長促進や免疫機能を安定化させる家畜用サプリメント「トルラプラス®」について、新たに生産量を拡大することを決めました。「トルラプラス®」は、木質資源を限りなく有効活用した、自然にも生物にも優しい家畜用サプリメントとなります。
「トルラプラス®」は、2020年より生産を始め、徐々に販売を拡大して来た結果、全国の獣医師・畜産農家からの引き合いが大きく増えてきました。このたび生産量(年間)を140tから約500tへ、3倍以上と大幅に増産できる設備を新たに導入することを決定しました。新設備の稼働による生産拡大は夏ごろからを予定しています。これにより、日本製紙江津工場(島根県、以下江津工場)で生産した「トルラプラス®」を全国で本格的に販売を開始し、今後は、より多くのお客様に使用していただけます。
江津工場は、日本国内では唯一、サルファイト蒸解パルプ製品(レーヨン、セロファン等用の原料)を生産しており、その際に発生する副産物であるヘミセルロースの有効活用として、「トルラプラス®」を生産しています。
ヘミセルロース由来の糖を栄養源として、江津工場独自のトルラ酵母を培養し、そこから核酸と酵母細胞壁を抽出し原料としています。核酸成分は人間の母乳に含まれており、新生児の成長や免疫機能の発達に大きく寄与することが知られており、数十年前から江津工場で生産された核酸成分が多くの国産新生児用粉ミルク原料の一部として使用されています。また、酵母細胞壁は従来より水産飼料用たんぱく質として使用されているものです。
「トルラプラス®」は、抽出した核酸と酵母細胞壁を独自技術で混合することにより、牛や豚などの家畜の成長促進や免疫機能の安定化に寄与するものとなります。成長促進、免疫機能の安定化により、家畜の飼料量や治療回数を減らす可能性もあります。
なお、江津工場のある地元島根県では、品評会で何度も最高賞を受賞されている松永牧場の乳牛牧場である益田メイプル牧場、浜田メイプル牧場で使用いただいております。また、同乳牛牧場で行われた実証試験では、乳牛の出血性腸症候群(HBS)*の発生数の低減が認められました。
その他、大学などの学術機関などとの共同研究により、牛では飼養成績の向上、豚では仔豚の腸内環境の維持、ブロイラーでは抗生物質添加物と同等の成長促進効果などの良いデータが得られています。
日本製紙グループは、「木とともに未来を拓く総合バイオマス企業」として、需要が増加している環境に配慮した木質由来のケミカル製品を多面的に展開していきます。これからも、再生可能な木質資源の総合利用で、お客さまのニーズに応える高付加価値製品の提案を行います。
※:出血性腸症候群(HBS)
20年程前から世界中で問題となっている、乳牛に対しては致死性の高い疫病。治療法は確立されておらず、原因物質も特定されていない。
以上