ニュースリリース抗菌・消臭機能を持つ和紙糸「Cu-TOP®アオ」を用いた 安全靴専用靴下の開発について

日本製紙株式会社

日本製紙株式会社(代表取締役社長:瀬邊明、本社:東京都千代田区、以下「当社」)は、助野株式会社(代表取締役社長:小野剛司、本社:富山県高岡市、以下「助野」)と共同で、抗菌・消臭機能を持つ和紙糸「Cu-TOPⓇアオ」を用いた、安全靴専用靴下を開発しました。


靴下メーカー大手の助野は、これまでも漁師の意見を反映し、船上での作業の悩みを解消する専用靴下などを製造・販売してきました。このたび、日本製紙が開発した、銅イオンの効果で、抗菌・消臭・抗ウイルス性能を持つ高機能和紙糸「Cu-TOPⓇアオ」に着目し、またその材料を製造している日本製紙石巻工場と協同で、実際に工場で安全靴を履いて作業している従業員の声を取り入れながら開発を続けてきました。石巻工場では、高温多湿の環境下で安全靴を履きながらの作業も多いため、足元の悩みがあると考え、解消するための専用靴下を開発できないかと考えたものです。

工場従業員からは、安全靴を使用する際に、ムレ・ニオイ・耐久性が大きな悩みであるという声が寄せられ、以下のとおり様々な対策・改善を行ってきました。


〇ムレ

 石巻工場は高温多湿の環境下での作業も多く、運動靴に比べ通気性の良くない安全靴は、中でムレてしまうという声が多くありました。この解決策として、和紙糸が元来有する吸水・速乾性が有効でした。工場でのアンケートでは、70%以上の従業員が従来の靴下よりもムレが改善されたと実感し、洗濯後の乾きが早いという意見も聞かれました。


〇ニオイ

 ムレと同じく、通気性の問題でニオイが発生しやすく、中でこもってしまう悩みについては、「Cu-TOPⓇアオ」の特徴である、抗菌・消臭機能が解決しました。操業現場では気にならないが、オペレーションルームや休憩室では気になる足のニオイについて75%以上の従業員が軽減されたと感じています。


〇耐久性

 安全靴は堅い部分も多く、つま先などで穴が開きやすいとの声が聞かれました。耐久性は和紙糸の弱点でもありましたが、今回、耐久性のある繊維を同時に編み込むことで、耐久性を向上させることができ、穴が開きにくくなったとの意見が聞かれました。


他にも、助野の技術力を活かし、足底はクッション性の高いパイル編みとなっていたり、ヒールサポートでずれにくく、脱げにくい仕様となっています。併せて、助野が独自開発した編地「らく圧」を採用したサポーターについても、工場従業員の声を反映し、全面に吸水速乾糸を採用したことで、高温多湿の環境下で快適に着用できるようになり、足の疲労感を軽減できるようになっています。

「Cu-TOPⓇアオ」は、これまで入浴が困難なこともある入院患者用の靴下などでの採用実績はありましたが、工場で安全靴を履くという過酷な環境に耐えられる製品での採用は今回が初めてとなります。今回の過酷な環境を想定した開発で得た、高い耐久性がありながら、ムレやニオイを抑えられるという特徴を活かし、災害時に避難所で使える靴下やインナーウェアなどの防災グッズの開発や医療・介護、スポーツ分野などでの商品展開を検討しています。


安全靴専用靴下は9月10~12日に開催される「緑十字展2025」(開催地:インテックス大阪)にて、助野のブースで展示する予定です。

その後、生産体制を整えたうえで、2026年春ごろの販売を目指しています。


安全靴専用靴下特設サイト:https://store.sukeno.co.jp/pages/anzengutsu_socks

以上