ニュースリリース当社秋田工場に"国内最大"のエリートツリー「秋田閉鎖型採種園」を開設
日本製紙株式会社
日本製紙株式会社(本社:東京都千代田区、社長:瀬邊明、以下「当社」 )は、成長に優れCO2吸収能力が高く、花粉量が少ないなどの特徴を持つエリートツリー等※1の苗生産事業の拡大に向け、当社秋田工場内に国内最大規模となるエリートツリーの「秋田閉鎖型採種園」をこのたび開設しました。
当社は、秋田・静岡・広島・鳥取・熊本・大分の6県で間伐等特措法に基づくスギ・ヒノキのエリートツリー等の増殖に係る「特定増殖事業者」の認定を受け、当該各地に採種園・採穂園※2を整備しています。このたび開設した「秋田閉鎖型採種園」は、苗木換算で年間160万本分の種子生産能力を有します。これに加え、2025年度中に着工予定の鳥取県の拠点などを含めると、当社グループ全体でのエリートツリー苗木生産能力は年間460万本体制となります。
これまで開設した採種園と同じく、本採種園でも温室を用いる閉鎖型を採用することで外来花粉の侵入を防ぐとともに、エリートツリー同士による確実な交配を行うため、人工交配を行っていきます。種子の初収穫は2026年10月を見込み、採種木の充実に伴い、今後数年かけて年間160万本分の種子生産を目指します。生産した種子は、林業種苗法によるスギ種苗配布区域に基づいて秋田県を中心に第一区等※3の地域へ供給します。その後、2027年から地元生産者との協業により苗木生産を開始し、同年秋以降の出荷を目標としています。
当社は、国内に約9万ヘクタールの社有林を保有する大規模森林所有者であるとともに、国内最大級の木質サプライチェーンを有しています。林野庁は「みどりの食糧システム戦略」の中で「林業用苗木に占めるエリートツリー等の割合を2050年までに9割以上」という目標を掲げており、当社グループは今回の生産体制の大幅な増強により、国内の林業が抱える苗木不足の解消とエリートツリーの拡大に努めていきます。同時に、国土の約7割を占める森林の多面的機能の維持・強化への貢献と、森林資源ビジネスの拡大や社有林の価値向上の両立を図るグリーン戦略を推進していきます。
当社は、「木とともに未来を拓く総合バイオマス企業」として、引き続き、当社のグリーン戦略に基づいて森林の持つ様々な価値を最大化させつつ、バイオマス製品の普及を進め、循環型社会の構築に貢献していきます。
【施設概要】
■名称 :日本製紙株式会社 秋田閉鎖型採種園
■所在地 :秋田県秋田市向浜2丁目1-1(日本製紙株式会社 秋田工場内)
■仕様 :温室8棟(間口7.2m×奥行50m×高さ5m)
■規模 :苗木160万本分の種子を毎年生産(今後も需要量に応じて温室を増設し、生産量を拡大予定)
■特徴 :人工交配の時期は温室を閉め切り、開花促進と外来花粉の防除により、エリートツリー同士の確実な交配が可能。また、根圏制御栽培法※4で母樹を管理するため、早期採種・安定生産を見込む。
※1 エリートツリー等
特定母樹由来の苗木を指す。特定母樹とは間伐等特措法において、森林のCO2吸収固定能力の向上のため、成長に係る特性の特に優れたものとして農林水産大臣により指定されたもの。指定基準は、成長性が在来系統と比較して1.5倍以上、花粉量が一般的なスギ・ヒノキの半分以下、幹の通直性の曲がりがないものなど。
※2 採種園・採穂園
採種園とは、種子を多量に生産することを目的として母樹を植栽し、種子を採種しやすく仕立てた樹木園のこと。採種園より得られた種子を播種して実生苗を生産する。
採穂園は、挿し木苗生産のため、穂木を得る事を目的として母樹を植栽した樹木園のこと。
※3 林業種苗法によるスギ種苗配布区域の7区域
※4 根圏制御栽培法
早期多収を目的に果樹分野で実用化されている栽培法。スギ・ヒノキ共に鉢等に定植し、根圏を制御しながらストレスを与えて栽培することで早期採種・安定生産が可能となる。
以上