ニュースリリース養牛用「高消化性セルロース」を開発

日本製紙株式会社

日本製紙株式会社(社長:野沢 徹、以下「当社」)は、木材を原料とする養牛用「高消化性セルロース」を開発しました。


「高消化性セルロース」は、木材チップを脱リグニン処理した純度の高いセルロース繊維の集合体です。当社は、木材を原料に養牛用「高消化性セルロース」を開発し、特許を取得して、平成27年より国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)畜産研究部門と共同で基礎検討を重ねてまいりました。本年4月より民間の牧場で乳牛に給与したところ、乳成績の向上等の検証結果が得られました。







図1 飼料の消化率と消化速度


高消化性セルロースの消化率の上昇速度は同じ繊維質飼料である牧草と類似しており、給与直後の消化が遅い一方、最終的には栄養価の高い濃厚飼料(トウモロコシ)並に高い消化率を持つことが分かります。


図2 24時間におけるルーメン内のpHの推移

高消化性セルロースを給与すると、ルーメン内で穏やかに発酵するため急激なpHの低下がみられなくなり、ルーメン内のpHが高めに安定する傾向となることが分かります。ルーメンアシドーシスの予防に寄与すると考えられています。


■飼料の公定規格  
高消化性セルロースは、木材クラフトパルプとして公定規格別表に登録されています。

http://www.famic.go.jp/ffis/feed/kokuji/k51n756-2.html


■特許取得

特許第5994964号、特許第6130568号、特許第6196716号、特許第6362732号



高消化性セルロースは国内製造のため、一定品質で1年を通じて供給可能です。

当社は、「木とともに未来を拓く」をスローガンに、木の持つ可能性を追求し、今後も「木」を総合的に利用する事業を幅広く展開してまいります。


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