ニュースリリース紙容器リサイクル事業の拠点戦略の強化とリサイクルチェーンの構築について

日本製紙株式会社

 日本製紙株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:野沢徹、以下「当社」)は、紙コップ、紙パック等の食品・飲料用紙容器のリサイクルに関して、この度、富士工場(静岡県富士市)内に再資源化設備を設置することを決定しました。本年9月から同設備の導入に着手し、2022年9月から稼働を開始する予定です。

使用済みの紙容器は、従来、紙にプラスチックを貼り合わせた複合材料からパルプを取り出す方法やパルプを取り出した後に残るプラスチックの処置などの技術的観点、その容器の食品残渣物の汚れや臭いなどの衛生上の観点などから、リサイクルに不適とされ、その大半が一般ごみとして焼却されているのが実情です。しかし、昨今の紙容器のリサイクルに対する市場ニーズに応えるべく、紙容器再資源化の技術的課題に取り組み、各種設備を導入することでこれを克服する目途を得ました。

一方、当社は浜松市において、浜松グリーンウェーブ株式会社(本社:静岡県浜松市、代表取締役:平井公人)および特定非営利活動法人エコライフはままつ(本社:静岡県浜松市、理事長:荒木信幸)とともに、浜松市の後援を得て、本年4月1日から、市内の複数の公共施設に回収ボックスを設置、使用済み食品用紙容器を回収して、当社の工場で製紙原料として使用する実証事業※1に取り組むなど、紙容器の再資源化に注力してきました。従来は当社関東工場(埼玉県草加市)で、主として段ボール原紙の原料に使用してきましたが、本設備で生産される高品質、高白色のパルプ特性を活かし、今後は紙・板紙・家庭紙など幅広い分野の製紙原料としての利用を目指していきます。

富士地区は大消費地である首都圏や東海エリアを回収対象地域とする立地上のメリットがある他、当社グループの紙、板紙、特殊紙、家庭紙など多様な紙の生産拠点の集積地でもあることから、このような優位性を活かして積極的に紙容器のリサイクルを推進してまいります。

※1:2021年3月24日付の当社ニュースリリース「浜松市で使用済み紙容器のリサイクルを実施」参照

使用済み紙容器の回収スキームの構築にあたっては、消費者への使用済み紙容器のリサイクルに関する正しい理解をいただくための告知・啓発活動や、回収拠点および洗浄拠点の確保が不可欠なことから、リサイクルチェーンを構築するビジネスパートナーとの協働が大変重要となります。当社はこの度の再資源化設備を設置することで、ご賛同いただける企業・団体へ広く呼びかけを行い、本スキームの構築を加速していきます。

当社グループは、「日本製紙グループ環境憲章」に資源循環利用を謳い、持続可能な循環型社会の形成に貢献することを目指しています。「木とともに未来を拓く総合バイオマス企業」として、再生可能な資源である「木」を最大限利用する技術と優秀な循環資源である「紙」を再資源化するリサイクル技術を合わせて展開することにより、木質資源を基盤とする資源循環を推進してまいります。 


以上