ニュースリリース可搬・可調整式製造機によるミクロフィブリル化セルロース(MFC)を 開発、サンプル提供を開始

日本製紙株式会社

日本製紙株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:野沢徹、以下「当社」)は、可搬・可調整式製造機による、繊維幅がナノ~マイクロオーダーにカスタマイズ可能なセルロース繊維、ミクロフィブリル化セルロース(MFC)を開発し、サンプル提供を開始します。本MFCは、当社のセルロースナノファイバーの原料であるTEMPO酸化パルプ、あるいは低置換度カルボキシメチルセルロースを原料とし、解繊方法や解繊程度を自由に変更・設定可能であることが特長です。粘度や透明度、保水度、ゲル感等を各用途に合わせて製造できるため、現在当社が販売中のCNF(セレンピア®シリーズ)と同様に、様々な各種工業用配合材、食品・化粧品添加剤へ使用できる可能性があるとともに、大量製造・大量使用にも適しているため、農業分野や土木分野における噴霧用資材等への適応が期待されます。当社は本MFCのサンプルを富士工場(静岡県富士市)で、2種類の可搬・可調整式製造機によって製造していきます。

MFC可搬・可調整式製造機は、MFCの透明度や粘度を様々なバリエーションで微細に調整しやすいノズル型と、MFCの量産性に優れるディスク型の2方式を採用しており、繊維幅が数ナノメーターからマイクロメーターオーダーまで、自由に解繊度合いを調整できます。TEMPO酸化MFCおよびCM(カルボキシメチル)化MFCは、ともに標準品を用意していますが、透明度や粘度などの物性値は要望に応じてカスタマイズが可能です。また、本機は、比較的コンパクトな設計で搬送・組み立てが容易なため、MFC使用場所に設置し、原料パルプの供給をうけることで解繊度の異なるセルロース繊維を必要に応じてオンサイトで製造・使用することもでき、水分散体CNFを現地に運搬して使用する場合と比較して大幅なコストダウンとなります。当社は、将来的に本可搬・可調整式製造機の貸し出しや販売も視野に入れていきます。





なお、当社では石巻工場でTEMPO酸化CNF(注1)を産業用途全般向けに、江津工場でカルボキシメチル化CNF(CM化CNF)(注2)を食品・化粧品用途向けに、それぞれビジネスベースで生産し、全国で販売しています。また、富士工場においては、CNF強化樹脂「Cellenpia Plas®(セレンピアプラス®)」を実証生産中でヤマハ発動機と連携して部品開発を行うとともに、各ユーザーへのサンプル提供を実施中であり(注3)、昨年11月より、CNF配合天然ゴムである「Cellenpia Elas®(セレンピアエラス®)」のサンプル供給体制も整えました(注4)。日本製紙は、「セレンピア®シリーズ」の生産・販売により、「木とともに未来を拓く総合バイオマス企業」として、新素材・CNFの市場創出を加速し、減プラスチックの促進や地球温暖化対策に貢献していきます。

(注1) セルロース(原料パルプ)をTEMPO触媒によって酸化し、軽微な解繊によって製造したCNF。繊維幅約3nmの非常に細いCNF

(注2) セルロース(原料パルプ)をカルボキシメチル化(CM化)し、軽微な解繊によって製造したCNF。繊維幅数nm~数十nmのCNF  https://www.nipponpapergroup.com/products/cnf/ 

(注3) 日本製紙ニュースリリース「ヤマハ発動機とCNF強化樹脂の用途開発に関する連携を開始」https://www.nipponpapergroup.com/news/year/2022/news221116005347.html

(注4)日本製紙ニュースリリース「CNF配合天然ゴムCellenpia ElasTM(セレンピアエラスTM)サンプル提供開始」https://www.nipponpapergroup.com/news/year/2022/news221205005358.html

 

以上