お客さまに関わる責任製品の価値向上

森林認証製品など、お客さまの要望に応える製品を提供していきます

環境に配慮した製品の開発

製品のライフサイクルにおける各段階で環境に配慮しています

日本製紙グループの製品群は、再生可能なバイオマス資源である木質原材料を使用し、かつリサイクルが可能であることから、環境負荷が低いという特長があります。その上でさらに、グループ各社において、原材料の調達、製品の製造、使用、使用後、廃棄などの各段階で環境に配慮した製品の開発を進めています。

製品のライフサイクルから見る環境配慮のポイント
製品のライフサイクルから見る環境配慮のポイント

1原材料の調達段階での環境配慮

事例

適切に管理された森林に由来する認証紙を提供(日本製紙グループ)

森林認証制度には、環境・社会・経済的側面から、持続可能な森林経営がなされていることを認証するFM認証と、認証された森林から産出された林産物の適切な加工・流通を認証するCoC認証があります。日本製紙グループは主要な事業所でCoC認証を取得して、認証紙を提供しています。

1原材料の調達段階での環境配慮

事例

紙パック製品の認証取得(日本製紙(株)紙パック営業本部)

日本製紙(株)紙パック営業本部は、PETボトルや金属缶の容器に対する環境面での優位性を訴求し、紙パック製品の評価と企業イメージを向上させるため、国際的な森林認証制度であるFSC®(FSC®C0128733)とPEFCのCoC認証を2016年2月に取得しました。東京オリンピックが開催される2020年度には基本的に全てのお客さまに森林認証マーク付き紙パックを供給することを目指して取り組んでいます。

    2017年度実績で当社紙パック製品約2億個(前年度約2,000万個)に森林認証マークを付与しました

15原材料調達、廃棄段階での環境配慮

事例

「詰め替え」から「差し替え」へ----新たなスタイルを提案する紙容器SPOPS®(日本製紙(株))

日本製紙(株)は、シャンプーなどの商品に使用されている詰め替えパウチに代わる、新たな差し替え容器「スポップス」を開発し、商品化を進めています。中身を入れ替えることなく、カートリッジを交換するだけで補充が完了、この仕組みを実現するために紙パックの製造技術を応用しています。スポップスは詰め替えの手間を省略して生活を快適にするだけでなく、再生産可能な紙素材を最大限活用し、輸送効率の向上にもつながることから、従来のプラスチック製パウチと比較して環境負荷を低減できます。

シールドプラス

「スポップス」による差し替え補充(イメージ)

15製品のライフサイクル全体での環境配慮

事例

紙なのに酸素や湿気を通しにくいバリア素材「シールドプラスプレミア®」(日本製紙(株))

日本製紙(株)は、再生可能な循環型素材である「紙」にバリア性を付与した環境にやさしい包装材料「シールドプラス®」を開発し、2017年11月に販売を開始しました。
さらに当社は、より高いバリア性を有する「シールドプラスプレミア®」の開発に取り組み、早期の市場投入を目指しています。
この包材は、各種バリアフィルムに相当するバリア性を有しており、アルミやバリアフィルムの代替が期待できます。アルミの代替により、検査工程での金属探知機の使用が可能になります。また、バリアフィルムの代替により、枯渇性資源であるプラスチックの使用量が削減でき、プラスチック素材のみで構成された従来の包材と比較して、製造から廃棄までの過程で生じるCO2の排出量を抑制することができます。
昨今は、海洋プラスチックごみの問題がクローズアップされ、紙化の流れが世界的に加速してきています。「シールドプラス®」シリーズは、優れたバリア性に加えて、環境適合性を有しており、あらゆるシーン、さまざまなパッケージへの展開が期待されています。

シールドプラス

「シールドプラス®」を用いたパッケージのイメージ




45使用後、廃棄段階での環境配慮

事例

木からつくる、新しい機能性材料「ミネルパ®(日本製紙(株))

日本製紙(株)は、これまで培ってきたパルプや無機物の製造などの製紙技術を応用し、木材パルプ(セルロース繊維)の表面に無機粒子を高密度に定着させる独自技術を開発しました。「ミネルパ®」は、その技術から生まれた新素材です。2017年2月にプレマーケティングを開始し、顧客ニーズに基づいた技術開発を進めています。
「ミネルパ®」は、循環型の天然繊維である木材パルプをベースにし、パルプならではの成形性と、消臭抗菌・難燃・X線遮蔽・抗ウイルスなど無機物由来のさまざまな機能を併せ持つ機能性素材で、古紙としての再利用やサーマルリサイクルが可能です。紙(シート)の枠を越えた「アラタナカタチ(価値)」で、地球と人に配慮した新素材として提案しています。
2018年度は、富士工場(静岡県富士市)に実証生産設備を設置し、10月の稼働を目指して準備を進めています。実証生産設備は年間450トン以上の生産能力を持ち、事業化へ向けて本格的なサンプル供給体制を整えます。
実証生産設備の導入により、将来展望が期待できる事業分野の探索と、事業化へ向けスピーディーな用途開発を積極的に進めていきます。

    アラタナカタチ(価値):お客さまのニーズに応じて、顆粒状や立体成型体などフレキシブルに形を変えて、機能性・意匠性などの価値を提供できることを意味する「ミネルパ®」を含む当社新素材の開発コンセプト

シールドプラス

木材由来の新素材が創るアラタナカタチ
(新機能性材料展2018展示)

お客さまの要望に応える製品の提供

変化する品質要求に応えています

事例

古紙を利用した省エネ素材「スーパージェットファイバー」(日本製紙木材(株))

日本製紙木材(株)は、新聞古紙を主原料とした自然由来の断熱材「スーパージェットファイバー」を製造・販売しています。吹き込み用断熱材として高い断熱性能を持つ同商品は、低環境負荷と高い断熱性能の両立が要求される高性能住宅「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」への採用も増えてきており、関心度も高まっています。

事例

さまざまなシーンに合わせた製品ラインアップ(日本製紙クレシア(株))

日本製紙クレシア(株)では、お客さまのニーズに応える商品開発に注力しています。お客様相談室や営業などへ寄せられた声に耳を傾け、旬の話題や機能性を付加した製品づくりに取り組んでいます。

「スコッティ<sub>®</sub><br />カシミヤボタニカル」

「スコッティ®
カシミヤボタニカル」

「クリネックス<sub>®</sub> コンパクト <br />8ロール(シングル/ダブル)」

「クリネックス® コンパクト 
8ロール(シングル/ダブル)」

「ポイズ<sub>®</sub>メンズシート微量用」

「ポイズ®
メンズシート微量用」

事例

水性タイプの機能性コーティング樹脂(日本製紙(株)ケミカル営業本部)

出展の様子

「スーパークロン®(水性タイプ)」

日本製紙(株)は、ケミカル事業において機能性コーティング樹脂「スーパークロン®」を製造・販売しています。同製品を接着性付与剤として塗料やインキに配合することで、自動車バンパーや食品軟包装フィルムなど難接着性のポリプロピレン素材に塗装や印刷ができるようになります。
国内外の市場ニーズに対応すべく、従来の有機溶剤タイプに加え、環境負荷の低い水性タイプもラインアップしています。さらに製品開発に日々取り組み、お客さまのニーズにきめ細かく対応していきます。

事例

口栓付き紙パック(日本製紙(株)紙パック営業本部)

出展の様子

右手前から、口栓付きの「Pure-Pak®※2Diamond」「Pure-Pak®Curve」「Pure-Pak®Sense」「NP-PAK Rock」

    ※2 Pure-Pak®はElopak社の商標です

日本製紙(株)は、ノルウェーのElopak社とのライセンス契約に基づいて、口栓を付与できる新型紙パック「Pure-Pak®Curve」の販売を2017年に開始しました。また、高粘度の内容物に適した「Pure-Pak®Sense」、PETボトルと同様の飲用シーンでの利用が期待される「Pure-Pak®Diamond」、メッセージパネルを2コーナー持つ「NP-PAK Rock」もラインアップしており、バリエーションを充実させることで付加価値を高め、お客さまのニーズに応えています。
当社の口栓は、内蓋がないことから開封しやすいユニバーサルデザインを考慮しており、環境面からは樹脂使用量を削減した国内最軽量※1の口栓です。

    ※1 当社調べ